絶チル小説 J 智尾「でもさ紫穂、その能力をパトロールに生かしてくれないと、事件が起こりそうだとか分からないじゃないか。」 本来紫穂は、智尾のサポートとして行動を共にしている。 まだ情報網が薄手な智尾が力を発揮するには、紫穂のサイコメトリーでの援助が必須。 しかし紫穂は、これを「ある理由」付きで否定した。 紫穂「というかその前に、やらないといけなさそうな仕事があるわよ。」 智尾「仕事?…もしかして事件を予知できるのか?」 紫穂「違うわよ。…後ろを見て…。」 紫穂が声を潜めると、智尾が言葉通りに後ろを振り返った。 ?「…!」 ?「…!」 智尾の目の先には、道の真ん中、普通の風景とは不釣り合いな場所に、ゴミ箱があった。 そしてその中から感じる人の気配…。 2人は、誰かが自分達の後を付けてくるのが分かった。 智尾「……やれやれ…。」 視線を前に戻す智尾。 さすがの智尾も、後を付けてくる人間の正体に気が付いた。 紫穂「どうするの?」 紫穂が聞く。 それに智尾は答える。 智尾「とりあえずこうする。」 智尾は空間認識能力で後ろにあるゴミ箱の位置を探り、そのまま自分達の目の前までテレポートさせた。 智尾「ふぅ…」 そして紫穂と一緒に、ゴミ箱の蓋を開けた…。 カパッ… 葵「あ…」 カパッ… 薫「や…やっほぉ…」 ゴミ箱の中には、薫と葵がいた。 それを見て、まず智尾が発する。 智尾「何やってるんだよお前達…?」 薫「あ、あはははは…!い、いやぁ奇遇だねぇ!ははは…」 智尾「ゴミ箱の中から出てきて、何が奇遇なんだ?」 智尾は手厳しくツッコミを入れ、そして続けて言った。 智尾「なんで付いて来たんだ?」 薫「だ…だってさぁ…、その…」 葵「な、何て言えば…いいんやろか…。」 曖昧な口調になる薫と葵。 それもそのはず。「智尾の事が気になってしまい、後を付けてしまった」なんて、口が裂けても言えないのである。 [*前へ][次へ#] [戻る] |