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短篇集

 天気予報は雪マークが付いていた。

 寒さには強いつもりだ。コートとブーツのお陰で寒さは然程気にならない。

 平日の昼間。

 人は疎ら。擦れ違うのは大抵主婦。

 本当なら、仕事でもしていないといけない時間帯なのだろう。

 財布は寒くなる一方。そう、今は失業中。

 先の事を考えると、気分は暗澹としてくる。

 過去の事を考えても同様だ。

 どうせ役立たずですよーだ。

 ちょっぴり捻くれた気持ちになって、ふと顔を起こす。

 雪が、降っていた。

 黒々とした林のお陰で、その姿はシルエットになり。

 綺麗だと、思った。

 雪がこんなに綺麗な物だったと、初めて教えられた気がした。

 こちらに向かって漂う白い妖精達は、笑いかけているようで。

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