RAPTORS 11 数日後、黒鷹達は地に戻り、基地に帰ってきた。 天が攻めてきていない様子に、ひとまず安心する。 一歩基地に入れば、先に北帰島から帰っていた鶸が走り寄って来た。 「うわぁぁホントに生き返ってるー!!」 『お帰り』より早い第一声。 叫びながら急停止し、隼をじろーっと下から上までよく観察し、 「足があるー!!」 と、狂喜乱舞している。 「…更にアホになったんじゃねぇの」 喜ばれている張本人は、当然良い顔をしない。 そして黒鷹までが。 「俺が死なせなかったんだぞぉ!!感謝しろよー!!」 一緒になって跳びはねていた。 「何で鶸に感謝求めてんだよ!?」 『本来なら、助けた俺にだろう』とは言わない。 「だってホラ、ダチじゃん俺達」 「いや、全っ然分かんねぇから。その言い草」 「いいんだよ、万事オーライ!」 結局よく分からない。 「何でこうオマツリ頭ばっかりなんだ…」 思わず愕然として呟いた隼。 「相変わらず手ぇ焼いてんだな、お前は」 横から話し掛けてきた、よく見知った顔。 「ああ、羅沙。久しぶりだな。鶸と来たのか?」 「鶸様と、仲間とで“進軍”してやった。久々に鶸様に会えて、うちのお袋も喜んでたよ。後で黒鷹に礼を言わにゃならんハメになった」 「良かったじゃねぇか。礼は必要無ぇよ、すぐ忘れっから。それにしても苦労をかけたな。アンタ達には天に進軍して貰うつもりだ。黒を守ってやって欲しい」 「…お前は?天には行けないんだろ?」 「縷紅の作戦だ。戦力を天と地に分ける。俺は地に残る…黒を守れないのが口惜しいが」 「そっちは任せとけよ。…他に援軍は来るのか?とても俺達だけで足りるとは思えないが…」 「心配には及ばねぇよ。大勢来る」 「大勢?」 「“上と下”からな」 「…まさか――」 羅沙は「有り得ない」と言わんばかりの顔をする。彼も根と地の関係は知っている。 『上』に至っては、想像がつかない。 「勝てるぞ、この戦」 にやと笑って隼が言い切った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |