RAPTORS 9 「………………………………………………………………………………遅いな」 本当にぽつねんと鶸が言った。 「………遅いですよね。全く」 縷紅も妙な間を空けて言う。 男二人きりの、洞窟の一部屋にて。 「これで……何日だっけ?」 「八日目の夜です」 今度は即答で縷紅は言った。 そう、それは。 「あ〜〜もぉ〜〜本当に俺が王になっちまったじゃねぇかアホ黒ーー!!」 …とりあえず、鶸はこんな人物だから仕方ない。 万一、もし帰って来なかったら、という時の策として茘枝を行かせたが、彼女共々帰って来ない。 ひょっとして、根の国とは帰りたくもなくなるような楽園なのか…? 鶸の中で、完全な誤解による野望が膨らんでいた。 [*前へ] [戻る] |