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月の蘇る
  9
 見上げる空が入道雲から鱗雲に代わった頃、待っていた人はやって来た。
 大掛かりな行列は遠くからでも認められた。その喧騒は、病床の中にも届くくらいに。
 待っていたのにそれを喜べる体力は無かった。ただ怠く、逃げるように目を閉じる。
「なんか、どえらいもんが来てるな」
 庭に居る朔夜が遠くに目を細めながら言った。
「何だろう?すごい人の数」
 華耶の声。
 龍晶は息を吐いて、枕元の傍らで遊んでいる春音に頼んだ。
「母さんを呼んでくれ」
「あーい」
 まだもう少し足らない舌で返事をして、立ち上がるとぱたぱたと母に駆け寄る。
「とーとがよんでるよ」
 華耶はすぐに枕元に戻ってきた。
「あの人達の事?」
 問いに頷いて、龍晶は教えた。
「鵬岷を呼んだ」
「…えっ…」
 華耶は絶句した。
「にーさまがくるの?」
 春音は嬉しそうだ。その笑みに頷いて、父は言った。
「お前に会いに来たんだよ。次いつ会えるか分からないから、たくさんお話してやってくれな」
「うん!」
 この一年で随分言葉が達者になった。鵬岷は驚くだろう。
「朔夜と一緒に出迎えると良い」
「わかった!さくー!」
 呼びながら縁側へと走っていく。その小さな体が朔夜に抱き上げられるまで見て。
「最期だから会いに来いと書状を出した。言いたい事は山ほどあるからな」
 それだけ説明して、苦しげに息をつく。
「その言いたい事って、家族として?それとも、国の為?」
 忙しく息をする口の端で笑う。
「家族だと思ってんのかな」
 華耶は俯いた。
 この一年、向こうから書状の一つも寄越さなかった。
 周囲に止める者が居たのかも知れないし、出した所でどこかで捨てられていたのかも知れないから、鵬岷を単純に責める訳にはいかないが。
 だが、それでこの光景――二人の嫌う大仰な権威付けの行列は、神経を逆撫でする。
「止そう。悪いのはあいつの周囲に居る人間だ。やっぱり俺は家族としてあいつと別れたい」
 華耶は瞼を閉じて頷いた。
 あの子の純朴さは知っている。だからこそ、操られるしかない哀れな王なのだ。
「にーさまぁ!はやくー!」
 春音が叫んで呼ぶ。抱く朔夜の顔も苦い。それを幼子が悟る事は無いが。
 行列は丘を取り囲むように止まった。その中から一際贅を凝らした馬車が二台、麓から上がってきた。それを取り巻く兵を従えて。
 その仰々しさに流石の春音も驚いて黙った。
 朔夜は苦笑いで訊いてやった。
「中に入っとくか?」
 強張った顔で頑なに首を横に振る。
「やだ。にーさまにあう」
 苦笑いが更に深くなる。
「ほんっと、そういう所あいつみたい」
 怖いのに、逃げたいのに、留まり続ける。
 己の責任を果たす為に。
 同じ顔してるんだろうなと、ちらりと後ろを見た。
 兵が馬車の扉を開ける。
 先に開いた扉から出て来た顔を見て、朔夜は顔を顰めて舌打ちした。
「さく?」
 流石に聞こえた。
「なんでもない」
 子供にはそう言ったが、顔は憎しみで歪んでいる。
「もしやそなた、悪魔殿か?」
 灌王はまず真っ先に目が合った朔夜に目を細めて問うた。
 朔夜は龍晶らの婚儀の席でその顔を知っているが、相手が己を知る機会は無かった。
 朔夜は相手を睨みながら言った。
「もうその名は捨てた」
 無礼だろうと周囲が騒ぐ。が、王は笑っていた。
「それは、こちらこそ無礼であったな。その子は儂の孫か?」
「しゅんおんだよ」
 堂々と名乗る。全くこいつは肝が据わっているなと内心笑ってしまう。
「大きゅうなったなぁ。一度会ったが、じいの顔を覚えているか?」
「ううん」
 はっきりきっぱり否定する。当たり前だが忖度の無い態度に朔夜は口の端を吊り上げた。
 その時、遅れて上がってきた馬車の扉が開いた。
「にーさま!」
 春音の関心はもうそちら一筋だ。王を無視して朔夜も向こうに寄ってやった。狸爺を相手にするより遥かにマシだ。
 その灌王は華耶に案内されて長屋へと入っていった。あいつに会わせるのかと、それは苦く思いながら。
 馬車から出て来たのは一人では無かった。
 王の装束を着飾った鵬岷がまず出て来て、馬車の中へと手を差し伸べる。
 その手を取って、可憐な少女が続いた。
 その事に朔夜も春音もきょとんとしてしまっている。
 先程までの勢いは何処へやら、小さな声で春音は会いたかった兄を呼んだ。
「にーさま」
「春音!」
 鵬岷はすぐにあの無邪気な笑みを顔いっぱいに浮かべた。
 そして振り返る。走り寄って来るかと思ったのに、弟に声をかけるよりも少女への気遣いを選んだ。
「この子は私の義弟で春音といいます。父上がこちらで養育されているんです。歳は三歳…になったんだっけ?」
 それは本人に確認する。小さく彼は頷いた。
 そして漸く、二人が知りたかった事を教えた。
「春音、こちらは義理の姉上となる方だ。白薇(ハクラ)姉様とお呼びしてくれ」
 少女は春音と同じ年頃だろうが、余程大人びた仕草で幼い弟にお辞儀をし、言った。
「可愛らしい弟君でございますね」
「父上にそっくりなんです。直接に血は繋がってないのに。会わないうちにまた似ちゃったなあ」
「義父上に是非、ご挨拶を」
「行きましょう。こちらにおられますか?」
 初めて鵬岷は朔夜に目を向けて問うた。
 黙って頷く。二人が去った背中にまた舌打ちする。
「さく、どしたのー?おこってる?」
 幼い癖に本当に鋭い。こういう所がまたそっくりなのだ。
「呆れてんだよ」
 流石にその意味は分からないだろう。んー、と首を捻って、二人の背中を指差した。
「さく、きらい?」
「まあな。初めて会った時からあいつは嫌いだ」
 灌の城の中で、ずかずかと入り込まれた時から。
 そう言えば俺のあの時の歳が今のあいつの歳なのかと考えて。
 ならもう少し物を分かれよと毒付きたくもなる。あの時の自分はもう少し物事を考えていたと思いたいのだが。
 考えると自信は無くなった。あの時は華耶をどうやって救うかで頭が一杯だった。
 同じかな、と思い直して。
「あねうえ、ってなーに?」
 春音の幼い問いに、ん?と目を見開く。
 その理屈は説明してやらないと分かる筈が無い。そもそも、姉という存在が分からないかも知れない。
「鵬岷と、さっきの娘は、父さんと母さんみたいに結婚するんだ。だから、あの人はお前のお姉さんになる」
「けっこん?さくとはーさがしてた?」
「ああ、そうそう。あれ」
 彼にとって結婚とはあの夜の宴の事になっている。あながち間違いでもないので頷いておいた。そのうち解れば良い。
「にーさまとおはなししてもいいのかなぁ」
「うん。良いんじゃねえのかな。行くか」
 龍晶は何を考えているのか。
 朔夜としてはそれが知りたかった。

 朔夜と相対する義父の姿を見て、眩暈が酷くなる気がした。
 どのツラ下げて来たと言うか、その厚顔だからこそ王が務まる訳で。
 諦めて妻に目配せを送った。華耶は頷き立ち上がって、挨拶に出た。
 名目上はあの人に救われて保護されているのだから、このくらいの事は我慢せねばならないだろう。
 だけど表情と感情を繕うだけの体力も気力も無い。入って来る大きな人影を、ぐったりと床から睨む。
「どうだ、具合は」
 あっけらかんと尋ねてくる。顔を出すなという約束など忘れてしまったかのように。
「生きてはいます。お陰様で」
 細い声で皮肉を言う。
「医者を断る意地を張っただけはあるな」
「お手を煩わしたくなかったので」
「儂は何一つ手間では無かったがな。まあ良い。よく今まで生きていてくれた」
 とても本心とは思えない。早く死ねば良いと思っている筈だ。
 その証拠に、この上機嫌。これが最期だと鵬岷から聞かされているのだろう。
「苴では酷い有様だったが、こちらに来て正気に戻ったようだな。それが何よりだ」
 怒りを隠せない目に瞼を閉じる。
 あの時を思い出させるくらいなら、こちらの約束を思い出せと言いたい所だ。無論、故意に破っているのだろうが。
 近付いてくる別の気配を感じて、瞼を閉じたまま義父に言った。
「鵬岷と話をさせて頂きたい」
「無論じゃ。親子としてゆっくり語り合うが良い。儂も聞かせて貰うぞ」
 直接、己の耳目で監視する為に来たのだろう。不都合な事があれば、あれは嘘だと後で吹き込む為に。
 それに反発する気力も意味も無かった。好きにすれば良い。ただしこちらも勝手な事を言うまでだ。
 鵬岷が入ってきた。多くの警護と、そして少女を伴って。
 二人は灌王が譲った枕元に座した。
「父上、お久しぶりです。お呼び頂き感謝しています」
 およそ二年ぶりの再会だった。鵬岷が自分を見る目に戸惑いを感じ取る。ここまで窶れている姿を見るのは初めてだろう。
 しかし戸惑いをおくびにも出さないのは、それだけ大人になったという証だ。
 龍晶は一国の王に向き合う態度を選んで返した。
「戴冠の祝いも無く失礼を致しました。誠におめでとうございます。御婚姻も恙無く決まったようで何よりです」
 鵬岷は軽く失望した表情を隠しもしない。
「お止め下さい。父として言葉を掛けて下さいますようお願いします。我々は他人ではないのですから」
「それは互いにでしょう。しかし、血は繋がっていても他人である事もある」
 言いながら、春音を抱えて入って来た朔夜に目を向ける。
「春音が兄貴と話したいってさ」
 微笑んで小さく頷き、息子に言った。
「ちょっと待っててくれ。お前にも一緒に話を聞かせたい」
 朔夜は春音を抱いたままそこに座った。
「聞いて分かるかなあ?」
「わかるよー」
「本当かよ」
 笑って、しー、と黙っているよう促す。
 鵬岷は複雑な表情でそのやり取りを見ていた。
 弟は同じく血の繋がりが無いのに子供扱いして貰える。勿論、幼さ故だとは分かっている。
「ご紹介を頂けますか?」
 父は丁寧な口振りを崩さず娘に目を向けた。
 はっとする鵬岷を差し置いて、彼女は手をつき丁寧に頭を下げた。
「ご挨拶が遅れました。このたび鵬岷陛下の正室に選んで頂いた白薇と申します。父は来月苴王として戴冠する泰白でございます。今後は娘としてお付き合い頂きますよう、何卒よろしくお願いします」
 ちらりと朔夜に目を向ける。
 苴の内乱は治まったという事だ。ここに来た愚かな王子は負けたのだろう。予定通り第一王子が王位を継ぐのだ。
 しかし、灌の王子と苴の姫が戔を継ぐとは。
 皮肉が過ぎていて笑う気にもなれない。全てはそこに居る灌王の指図で間違いないだろう。これで灌と苴の関係は深くなる。戔を使って。
「今はともかく、後は無いでしょう。このような先代も居たと知る程度で良いのです。その分この鵬岷のこと、よろしく頼みます」
 子供達にその責は無い。そう考えながら少女に返した。
「父上、その、後が無いとは…?」
 鵬岷の戸惑う問いに首を横に振って。
「言ったままの意味です。これが最初で最後。しかしこの身の事などを話している暇はありません。陛下には伝えねばならぬ事が山ほどある」
「はい。承ります」
「俺は体が動けばあなたの世を引き倒すべく動く所でした」
 急に冷や水を浴びせる。それが紛れもなく本気だと、据わった目が語っている。
 鵬岷は震えながら問うた。
「ごめんなさい…。父上の意に反する事をしていますか、私は」
「戔の民の嘆きがこんな場所にまで聞こえる。それが全てです」
「民が…?」
「聞こえておらぬのですか、あなた様には」
 目が泳いだ。後ろめたい事があるのだろう。
「臣に全て任せて何をしているのです。俺は民を己が目で見るべきだと教えた筈。城から出て街を見ましたか?地方は?どれだけ戔を見て回ったのですか?」
「碑未が許してくれないのです!」
 必死の言い訳に龍晶の目が細くなる。
「お分かりでしょう!?こんな若輩者の言い分など臣は聞いてくれません!私の居場所は玉座より他に無い。こうして父上が呼んで下さって初めて外出が許されたのです。そうでなければ白薇と共に後宮へ閉じ込められてしまう…!」
 褥に向けて息を吐いて、目を灌王に向けた。
「その碑未という者、灌に戻しては頂けませぬか」
「あれを抜けば戔はたちまち崩れるぞ。最早かの者は国の要、そうであろう鵬岷陛下」
 先程までの勢いを削がれて、項垂れて彼は答えた。
「はい。…違いありません」
 聞いていた朔夜は三度目の舌打ちを何とか抑えた。
 一体、誰のせいで。
「ならばやるべき事は一つ」
 龍晶は再び据えた目で息子に言った。
「あなた様がその要となるのです。そうならねばなりませぬ。あなた様は王です。俺の後を継いだのです。それを、お忘れなきよう」
 鵬岷は見開いた目で、思わず頷いた。
「どうか戦って下さい。あなたの民の為に」
 言うべき事はその口で言えとかつて教えられた。
 それが戦い方なのだろう。
「父上…我儘を言っても?」
 頷く。その目は、我が子を見る優しい目だ。
「僕一人ではまだ無理です。どうか共に戦って下さい。お願いです。共に、戔に…」
 灌王の空咳が響いた。
 それを言ってはならない。王たる者が。
 聞かされる方とてそれは禁句だった。
 手で顔を覆って、隠しきれない口元は歯を食い縛っていた。
「ごめんなさい…」
 鵬岷は項垂れてそう言うしかなかった。
「ごめんなさい…」
 初めて見た、骨ばった手の薄さに涙が出た。
 国の為、息子の為に立ち上がりたくとも、もうそれが出来ない。その事がよく分かってしまう手。
 最期というのは会う為の詭弁ではない。事実なのだと。
 布団からもう片方の手が出て来て浮いた。
 すかさずその手を取る。子として。
 継ぐ者として。
「父上…」
「この魂を、戔に」
 痩せた手の下の顔が、ふっと微笑む。
「連れ帰ってくれ。お前の手で」

 一行が去り、行列が続いていくのを見送る頃、意外な顔がこの丘を登ってきた。
「…宗温!」
 朔夜が気付いて駆け出す。
「朔夜君!元気そうで良かった」
 大きく手を振り、あっという間に横に並んだ顔に微笑んで。
「苴では大変だったと聞きましたが…あれから一年ですから君にはもう過去の事ですね」
「流石の俺も体全部動かなくなるのは初めてだったけどさ。ま、すぐ治ったから。波瑠沙のお陰で」
「桧釐殿から聞きましたよ。結婚したと。おめでとう」
「ありがとう。でもあんまり今までと変わらないけど。お前は?あっ、賛比は相変わらずだな?まだ懲罰続行中か」
 振り返って後ろに従う少年へ悪戯っぽい笑みを向ける。
「もう罰じゃないよ朔兄、これはお役目!」
「知ってる知ってる。揶揄っただけ」
 笑って、宗温に目を向けて。
「護衛でここまで来れたのか」
「ええ。やっと、念願叶いました。なのでこっそり職務放棄をさせて頂きます」
「良いな。お前らしいや」
 長屋に着いて、華耶の笑顔を見、その奥に。
 龍晶は息子達の会話を聞きながら殆ど気を失うように眠っていた。多分、鵬岷が去った事にもまだ気付いていない。
「お休みですか」
「起きると思うよ。お前の声を聞けば」
 言いながら先に枕元に座って肩を揺すった。
「龍晶!会いたい人が来てるぞ!」
 開いた目が、次の瞬間には子供のように丸くなった。
「…小奈」
 宗温の横を見ている。彼は目を見開いてその虚空を振り返った。
 そんな事は有り得ないと思い直して、またその人を見る。思いがけず無邪気な笑みとぶつかった。
「二人で来てくれたのか」
 宗温は、伏した顔に笑みを浮かべた。
 見えている。この目には。
 そして、彼女は隣に居るのだ。
 ずっと、あの日から。
「お会いしたかったです龍晶様。この日をどんなに待ち侘びた事か」
 二人分の挨拶を口にしながら宗温は枕元に跪いた。
 うん、と目を合わせた龍晶は頷いた。
「宗温」
 束の間、王であった頃の目に戻って。
「苦労をかける事になるが…戔を、頼む」
 唯一、始まりから全ての苦労を共にした股肱の臣は、深く頷いた。
「あなたに託された以上は全力を尽くします。あなたの民を守る為に」
 眉間に皺を寄せた顔で頷き返す。
 それがどういう事か、言葉にせずとも共有している。
 民を守る為なら、王府の間違いを反旗を翻してでも止めろと――そういう意味だ。
「小奈はお前を守ってくれる。そう言っている」
 宗温は笑んで頷く。
 嘘でも良かった。こんなに優しい嘘は無い。
「ありがとうございます…龍晶陛下。あなた様のお陰で、私は」
 目に溜まっていた涙が落ちた。その雫を、痩せた手が受け止めてくれる。
「私は、己を見失わず全うする事が出来ました。これからもです。彼女亡き世に生きる目的を与えて貰えた。戔の為に戦い続けると、お約束します」
 手を握り合う。戦友の固い握手。
「ありがとな、宗温。お前に会えて良かった」
 天を仰いで息を吐く。
「また、共に無茶をしましょう。あなたの命令にはいつも驚かされるが、嫌では無かった」
 子供みたいに笑って返される。こんなにも無邪気な笑顔を、長年共に居て初めて見たかも知れない。
 やっと、帰るべき場所に帰れたのだと思って。
 離された手を、床に付いて、頭を下げる。
「ありがとうございました」
 立ち上がり、その綺麗な笑顔を目に焼き付けて。
 振り返らず去る。涙は止まらなかった。
「総督…陛下は…」
 後ろを歩く賛比がおずおずと問う。
 残っていた涙を急いで全て袖に吸わせて、宗温は言い切った。
「鵬岷陛下の後を追うぞ。持ち場を離れたと知られる前に。急げ」
 爽やかに笑って馬に跨り、駆け出す。
 眼前に広がる秋空の向こうに、帰るべき故国がある。


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