TRPGリプレイ
1ー39
正面からは白石、左右からはそれぞれ部下のいかつい男と細身の男。
ミナと正人をを囲む形で、3人が攻撃を仕掛ける。
細身の男が指を向ける、筒状になった指から無数の弾丸が飛び出した。
いかつい男は虚空から巨大な戦斧を造りだし、ミナに振り下ろす。
ミナが素早く両手を交差させると、次の瞬間には弾丸は全て切り落とされ、戦斧もまた受け止められて無力化されていた。
気付けば、ミナも素手ではなくなっている。
手のひらは半円をかたどった小さな盾に変わり、その先からは成人女性の背丈にも匹敵する刃渡りの、巨大な剣が生えていた。
弾丸を叩き落としたのも、戦斧を食い止めたのも、この剣によるものである。
ミナが交差していた腕を解きながら一回転、動きに合わせて剣が勢いよく振り抜かれる。
その動作はそのまま剣撃となり、戦斧を獣人ごとガラスのように割り砕いた。
さらにもう一回転。
砕いた戦斧の刃を流れるように手にとり、細身の男の腕へと投げつける。
狙いは外れることなく腕を切り落とし、無力化する。
これには男たちもたまらず、その場に崩れ落ち、苦悶の声をあげた。
最後に、白石が右手を巨大な突撃槍に変えて突進。
鋭利な穂先が少女を捉えようとする。
ミナは回転をやめ、左手を前へ。
大剣は盾に吸い込まれるように消え、扇状に5振りの短剣が等間隔で出現した。
短剣で穂先をそらし、かえす刀で大剣を横になぐ。
それに対し、白石は左手を大盾へと変えて、斬撃を真正面から受けとめた。
白石は素早くバックステップ、ミナは左手を大剣に戻し、体勢を整えた。
ともに手馴れた動きである。
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