嫌コンビ(雲雀VS骸+ツナ)
きっと、この二人は何年先でも変わらないんだろうなぁ…
なんてしみじみと思うけど、今はそれどころじゃないんだよ。そうだよ、流石にこの状況はないんだよ。やべぇ、これ完璧俺も巻き添えパターンじゃん。

下らない喧嘩

えーと、なんでこうなったのか。状況の整理だ。みんなもきっとついていけてないだろ?いや、そもそも今の状況もきっとわかっていないよね?あれ、知りたくない?ホントにー?
困っちゃーう。
「綱吉、一人で喋ってて怖い。何、君には誰かが見えているの?」
「おや、この部屋には僕ら以外はいないんですけど…プリーモ辺りですかねぇ?」
「俺は、そうやって軽口を叩きながらも余裕で戦う二人が怖いですよぅ…」
もうやだ。俺泣きたい。なんで俺関係ないのにこんなに苦労しなきゃなんないの?神様に愛されてないのかな。
よし、状況整理という名の現実逃避だ。
最強の守護者、雲雀恭弥と六道骸がこうして戦っている理由。もとい原因。
それが途轍もなくガキなのだ。みんな、笑う準備をしていてくれ。
―30分前―
「おや、冷蔵庫に僕が大切にしまっておいたチョコレートがないですねぇ…」
明らかに怒っている笑顔で雲雀に向けいう骸。一方の雲雀はしれっとした顔で読書を続けている。
「知らないよ君が自分で食べたんじゃないの?」
明らかに言いがかりをつけられて苛立っている顔だった。
「いえ、絶対に君が食べたんでしょう!あれ、プレミアムなんですよ!買ってきてください!!今すぐに!!」
しれっと返されたことに苛立っている骸がびしっと雲雀に言い渡す。
「変な言いがかりつけないでくれる?僕、君と違って忙しいんだけど!」
眉を顰めて骸を一睨み。骸も同じように雲雀を睨み付ける。
「忙しいですって?笑わせないでください。いつも暇な癖に。そうやって話を逸らして逃げようとするところが余計怪しいんですよ!」
いよいよ雲雀さんがトンファー構えだした。それを見て骸も三叉槍を持ち始める。
「なんでいつもチョコが無くなると僕のせいにする訳?これでもう10回目なんだけど!いい加減にしてくれる?君暇なの?暇人なの!?」
「あーもう許しませんよ!!巡らせます!!」
「望むところだよ!!咬み殺す!!」
―今―
とまぁ、食べ物の恨みという訳だ。いや、雲雀さんは食べてないらしいから一方的といえばそうなんだが。
というかなんでたかがチョコレートでこうなるんだよ。普通そうなんないだろ。もうここの廃墟が更地だ。なんだこれ。絶対誰かしらに怒られるって。
そしてやりあってる二人といえば結構頬を切ったりなんだりで血がでているが相変わらずの笑顔だ。いっそ怖い。
寧ろ始まった時よりも激しくなってる。なんで疲れないんだよ。お前ら体力回復アイテムのキノコとか持ってんのか。
とはいえ、並森最強の風紀委員長と以前並森町強者ランキングを制覇していった不良。恨みを持たれているのは自然だろう。
だからまぁそんな最強な二人がお互い攻撃しあってると聞いたら普通弱ってるところを攻撃しようと思うよね。きっとそうなんだよね。俺にはそういう風には絶対思えないけどきっとそう思うんだよね!
わらわらと雲雀と骸に恨みを持つやつたちがやってきた。あぁもうなんでこういうことするかななんなの君たち。
「雲雀こらぁ」とか「六道ごるぁ」とか意味のわかんない怒号が聞こえる。一方の二人は呑気にバトルを続ける。
そして不良の一人が武器を投げつけた―――その瞬間、二人が同時に動いた。
「僕たちの邪魔するなんていい度胸だね咬み殺されたいの?」
雲雀のトンファーが不良たちの体を殴打する。
「先ほどから煩い蚊が飛んでますね。これだから並森はいやですねぇ…気品がない」
骸の三叉槍がくるくると回され不良を弾き飛ばす。
「何、君並森をバカにする気?死にたいの?」
不良を殴る姿勢のまま、雲雀はいう。怒りの余りに不良を殴る手に力がこもってる。
やめてあげてー
「クフ、そんなつもりは一切ありませんよ。ただ少し思ったことを口にしただけです。僕、正直者ですから」
相変わらずしれっとした顔で三叉槍をふるう骸。
「何言ってるの嘘をつくのが常な癖に。なんなの咬み殺そうか!?」
殴る手を止めない。骸と雲雀がいつの間にか背中を預け合う体制でお互いに言い放つ。
「後で絶対に咬み殺すから!!」
「後で覚悟しなさい!!」
そしてお互いに飛び出す。その後、5分と経たずに不良たちが弾圧されたのは言うまでもない。
「…雲雀さん、骸。なんで二人って仲悪い癖に息ぴったりなんですか…」
綱吉の小さな呟きに最恐の二人は気づくことなく、喧嘩を再開した。
そんなことが毎日のように繰り広げられる。そんなおかしくも並な日常。
           -fin-
結局、いつも喧嘩は雲雀の「お腹空いた。帰る」という一言で終了となる。
骸も雲雀に付き合ってるだけなため何も異議をあげることなく立ち去る。
そして残された綱吉がその場の修理や謝罪をリボーンに押し付けられるという、そんな損な役回りだ。
「俺、慰労賞とかもらっても恨まれたりはしないと思うんだよね…」
今日も綱吉は壊れた建物の説明をリボーンにするのだ。蹴りを入れられながら。


小さなことで喧嘩するけど実は息ぴったりの最強コンビってのを書きたかった。かわいそうな綱吉君のために時々骸と雲雀が労ってたりするといいな←

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あきゅろす。
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