責める僕と受け入れる俺(ツナ炎)
たとえば
たとえばの話。敵であり愛おしくもある彼が自分自身を責めたとしたら?
俺は一体どうするだろう
それを思ったのはつい先日。そして答えは出ないまま君は君自身を責めている。
俺は一体どうすればいい
俺のエゴでも、俺の言うことを少しだけでも聞いてくれるかい?

自身責

「ツナ君、僕ね。僕自身が嫌いなんだ。大嫌い。もう死んじゃえばいいよね、僕なんて」
ボロボロな体を丸め込んで炎真な泣きながら言う。
体育座りで顔を埋めたまま声を押し殺す。
俺は何も言わないまま、言えないまま彼を見下ろす。
俺が言うべきことなんて何一つないって知っているんだ。言える義理じゃない。
「君のファミリーを憎いと思ったよ。君と友達になってからも君が苦しんで死ねばいいって思う時があったんだ。君と恋人になってからも、だ」
頭をかきむしりながら炎真はぶつぶつ呟き続ける。
何かを諦め何かを悟り何かを捨てるように。
「だから僕は君に愛される資格なんてないんだ。君は今すぐファミリーの元へ戻るといいよ」
俺が座り込む彼の前にしゃがみ込めば彼の手が伸びてきて俺の肩を押す。
「早く、いなくなっちゃいなよ。僕になんて関わらない方がいいよ。君のためだ」
そしていつの間にか手にしていた刃物を自分に向ける。
俺は、今更ながら気づく。
「(あぁ、彼はもう傷だらけだ。どうして気づけないんだろう)」
相変わらず彼の心の叫びにも気づけない自分を殺したくなる。彼がどれだけ傷ついているか少し考えればわかるというのに。
「炎真、もうやめろ。もういいだろ」
炎真の腕を掴んで刃物を向けるのを邪魔をする。
「ダメなんだ。僕は死んだ方がいいんだよ綱吉君」
相変わらず虚ろな目で俺を見る炎真。
「僕が死んだ方が、君は幸せになれるんだよ」
「炎真、それ以上俺が好きな人の悪口を言うのは許さないよ」
自分でも冷たい声色だったと思う。口をついてそんな言葉が出てきた。
「いくらお前が自分に言っているとしても。俺はそれを許さない」
もっと強く炎真の手を握り締める。少し痛みに顔を歪める炎真。
「綱吉君には関係ないよ。放っておいてくれ」
吐き捨てるように呟く彼。手を振り払われる。
「関係ある。炎真、前に言ってたろ。お前は俺のものだって。だから関係あるんだ」
目線を合わせじっと彼を見つめる。眉を顰めながら目線を逸らす彼。
「僕は、君のものじゃない。僕は、お前の所有物なんかじゃない!!」
目に涙を浮かべながら俯きかけて小さく震える。そんな彼を何も言わず抱きしめる。
「俺はお前が嫌うお前のままでいいよ。別にいい人じゃなくても最低な奴でも構わない。俺はお前だからいいんだ。炎真、分かってよ」
彼をきつく抱きしめてそう悲痛の心を伝えた直後、炎真のナイフがかちゃんと地面に落下した。
             -fin-
セリフを言わせたかったのと色々と抱え込んだ炎真とそれをよくわけわかんないまま受け入れる綱吉君がかけて満足ですいえーい


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