あいらびゅー!(ムクヒバ
彼はいたずらっぽい笑みを浮かべて恭しく礼をしてみせた。

あいらびゅー!

「やぁ、元気にしてましたか?」
手をひらり、と挙げて彼は笑う。一方の僕はいかにも不機嫌といった表情を彼を見返す。
「本当に君の顔を見てるとイライラするよ」
「そんなこと言うなんて酷いです。本当は僕のことが好きすぎて大変な癖に」
いたずらっぽい笑みのまま歩み寄ってくる。
「僕は君のこと、呼んだりしてないから」
僕も足を踏み出しながら眉を寄せつつ彼に言う。
すると彼はまた手をひらりとあげながら「知ってます」とだけ言う。
その知ったような口調も嫌いだ、という前に彼は笑う。
「ボンゴレから手紙が着てたんです。君が最近不機嫌で般若のような顔になってきてる、と」
スーツの内から手紙を取り出しひらりと見せてくる。
達筆なのか達筆ではないのか微妙な具合の文字がつらつらと並んでいる。
その字が紛れもなく我らがボスの字でいて内心舌打ちをする。
「ボンゴレが自然と君が僕を欲してると言ってきてね」
余計なことを、と僕は小さく思う。
そして同時に悟られたことを恥じる。
「だから遠路遥々、僕が帰ってきたわけです」
手紙をしまいながら小首をかしげる。
「どうです?僕に会えて少しは落ち着きましたか?」
「君は少し自分の存在を過信しすぎてるんじゃないかな」
薄く笑った後彼の目の前に立ち軽く小突く。
「帰って来るのが遅すぎるんじゃないの?僕が万が一浮気でもしたらどうするつもりなんだか」
「その時は相手を消すだけです。それに、君は僕しか欲せないようだとわかりましたからね」
異様に口調にイラっとしたのでもっと強く小突いてみる。
「なんて、本心はご氏名いただけて大変光栄でしたよ。君がボンゴレじゃなく僕を欲したんですから。しかも他人にあからさまにわかるくらいに」
くすくすと笑う彼。
「なんて独占欲、僕も少しぐらい持ってたりするんですよ」
あまりに君が優しく笑うから、安心してそのまま君の腕の中。
         -fin-
ごめんちょっとデレさせたかっただけ(笑)


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あきゅろす。
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