cry(ムクツナ
泣き方を忘れたつもりでいたけど、どうやら忘れてなかったみたいだ。

思々涙々

「あれ、もしかして泣いてます?」
傷だらけの顔でくしゃりと笑う。散々ぼこぼこにされた癖にやけに余裕たっぷりでなんだか苛立つ。
「君、何言ってるんですか。散々ぼこぼこにされた癖に」
零れる雫については一切触れずに彼を非難する。
少し苛立ったので頬をつねってみる。暖かい頬にまた思わず雫が落ちる。
「はは、確かにね。ていうか痛いよ」
「痛くしてるんです。馬鹿。君は本当に馬鹿です」
「はいはい、骸は正しいよ。俺は馬鹿だ」
またくしゃりと笑って目を閉じる。
「骸、泣かせちゃったね」
「もう泣くことはないと思ってましたよ」
頬をつねりながら言う。
「なら俺はラッキーだ。滅多に見れない骸の泣き顔、独占してる」
「そうじゃないでしょう!」
あまりにもアホ面で言うものだから先刻よりも強くつねってしまう。
「いででで、ちょ、さすがにそれは痛すぎるぞ!」
泣きそうな顔で切実に見てくる綱吉に思わず手を離す。
「僕がどれだけ心配したと思ってるんですか?」
「泣かない骸が泣くくらい」
しれっと言い放つ。
その言葉を聞き流して彼に言う。
「君が死ぬなんていうのはあの時だけでいいです。勝手に死ぬなんて許せません」
「それ、大分俺に自由ないよな」
頭の上に手を乗せながら綱吉が言う。
「それを君が望んだんでしょう」
「まぁ、それもそうか」
はは、と彼は軽く笑う。
無事だったのだ、とまた安心して雫が零れだす。
「ホントにお前泣きすぎじゃない?一生分泣いてるんじゃない?」
「泣いてません」
人差し指を折り曲げて涙を拭う。
子供をあやしつけるような口調で喋りつつ彼が頭を撫でてくる。
「はいはい」
「本当に泣いてませんから」
信じてないな、と思いつつ骸はもう一度「泣いてませんから」と言った。
「わかったよ。それより俺は思われまくりで涙が出そうだよ」と彼は骸を抱きしめながら笑った。
           -fin-
「いやーラッキーラッキー骸の泣き顔を拝める日が来るなんて」
「だから!泣いてません!!」
「君、あれが泣いてないってそれはないよ」
「あ、雲雀さん」「げ、雲雀恭弥」
「ぷ、君も泣くんだねぇ…いやぁ面白いもの見せてもらったよ。綱吉、そのゴミ、片付けるよ…ぷぷっ」
「雲雀恭弥!!今すぐ忘れなさい!!!」


ラブラブなムクツナ+からかう雲雀さんでいいんじゃないでしょうか。逆パターンもあり。最終的に争奪戦でもいい(笑)



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