応援者(CPナシ
「君、やられちゃうにはまだ早いんじゃないの」
カーテンに手をかけながら彼は薄く微笑んだ。

応援したげる

白い部屋の中で寝息を立てることなく眠り続ける少年。
機械音に包まれた部屋で少年はぴくりとも動かない。
生きているのかもわからない。否、生存は確認されている。
不慮の攻撃によって病院に担ぎ込まれた少年は、襲撃されて以来目覚めていない。
見舞いに来る友人はいない。
少年のために戦っているからだ。
かたん、不意に物音がする。扉の開く音。
やせっぽっちの人影がカーテン越しにこちらを伺う。
「あぁ、まだ寝てるみたいだね、山本武クン」
くす、と少し笑いを零してカーテンを開ける。
「本当に負けちゃったんだね。ふふ、全く…ボクに勝っておいてそんなにあっさりやられちゃうなんてそれはないんじゃない?」
少年に一歩近づき、頬を撫でる。
「君の言葉を借りて言えば助っ人とーじょーって所かな?山本武クン」
うっすら目を開いて白蘭は少年の顔をじっと見据える。
「君のこと、助けてあげるよ。山本武クン」
手を少年の上にかざし、微笑む。
「まぁこの借りは今度返してもらうとして、今回は特別だよ」
目を細めて力を集中させる。
こそばゆい光が病室を包み込む。
「ボンゴレプリーモの言葉を借りるけど、シモンの小僧に一泡吹かせてやってね」
光が収まった後満足気に笑う。
「じゃあね、ボンゴレ雨の守護者さん」
振り向きながら小さく呟き、病室の扉を開く。
ぱたん、と閉じられた扉がまた外界との空気を遮断する。
その後、ゆっくりと少年は目を開いた。
何かを悟りきったような瞳をして。
           -fin-
「ボクはもう死んじゃったって綱吉クンは思ってるかも知れないけどそれは未来のことだよ。過去のボクはまだ生きている」
怪しく白蘭は笑い、歩みを進める。
「また、世界をボクのものに、なんて言わないよ。君たちがどう生きるか気になったもんでね」
病院を見上げながらうっすら瞳を開けて呟いた。
「まずは邪魔するシモンを潰してもらうよ」


本誌の白蘭さん復活フラグにキャーキャーしすぎての妄想。実際にこうなればいいな!(2011/1/12)


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