Supreme Present 1 「あっ…んん…十夜ぁっ…!」 「バ…っ、締めんな、出る…」 私の中で十夜のモノが波打って、収縮する奥に熱い液を放った。 私達がこうして肌を寄せられるのは、週に一回。十夜が人間界に来てくれた日だけ。それはあの頃から、私が大学を卒業して就職した今も変わらない。 表には出さないけれど、きっと長老さんに無理を言ってるんだと思う。 だいたいいつも、会ってすぐに発情する十夜の相手をしてから、その腕の中で最近あった何気ない事を報告しあう。 今日もいつも通りのコースだったんだけど…。 「何、レンのやつ、そんなにしょっちゅう来てんのかよ。」 「そんな嫌な顔しないでよ。心配してくれてるんだよ。」 「はっ。どうだか。」 共通の知り合いということもあって、どうしてもよく遊びに来てくれるレンの話題が増える。だけど十夜はよく思ってないみたいで、機嫌を悪くしてしまう。 「おまえさ、忘れたわけじゃねえだろ?あいつがおまえに何したと思ってんの?」 「……忘れてないけど…レン、本当はいいこだよ。」 「あっそ。じゃあ好きにしろよ。」 十夜は私の頭の下から腕を抜いて、ベッドから出ていった。 「十夜…?」 「もう行く。」 身なりを整え、私に背を向けたままそう言った。 いつもは時間ぎりぎりの日の出までいてくれるのに、今日は随分早い。 「十夜、怒ってるの?」 「別に。じゃあな。」 「ちょっ…」 待って、と言いかけて、だけど十夜の姿はすぐに次元の向こうに消えてしまったから、彼が何故そんなに怒っているのかも聞けなかった。 ただのヤキモチだったらどんなに楽だろう。きっと、そんなに簡単なものではないと思う。あの二人は、今でも仲が良いとはいえない関係だから。 しょうがない。来週仲直りしよう。 そう考えながら次の週を待ったけれど、それから一ヶ月経っても、十夜が来ることはなかった。 ------ 「クロ、何考えてるの?」 「んだよ。」 「最近人間界行ってないよね。」 てめえのせいだろ…と毒づくのは心の中に留め、俺は長老の書斎の整理を続けた。 「喧嘩でもした?」 「関係ねえだろ。」 「ミクちゃん寂しそうだったよ。」 俺の勘忍袋の緒が、ブチッと音を立てた。 「ならレンがいてやれば?」 「何それ。まさかクロ、僕に妬いてるの?自分はあんまり会えないからって。」 「誰が。」 「ふーん、そう。わかった。じゃあ僕がミクちゃんの傍にいる。今言ったこと、後悔しても知らないよ。」 レンはそう言うと、碧いマントを翻し、足速に部屋を出て行った。 ああ苛々する。何なんだよ、未来もレンの奴も。そんなに仲が良いなら二人がくっつけばいいじゃねえか。俺を巻き込むな。 力任せにハタキで本棚を叩くと、勢いよく舞った埃が俺をむせさせた。 「ごほっ…!はぁ……クソ…。未来…。」 [次へ#] [戻る] |