Supreme Present 2 -------- ----- 僕はきっと、彼女しか…リオしか愛せない。 二人きりの生活はとても幸せで、いつか終わってしまうとわかっていても、僕はそれを求めてしまう。 リオが僕だけのものにならなくてもいい。誰のものにもならないでいてくれたら。 だけどリオ、君はずっと僕以外の誰かのものになりたかったんだね。 「おかえり。」 「ただいま…レンまだ起きてたんだね。」 「なんでこんなに遅かったの?」 「…私にも人付き合いってものがあるのよ。」 僕の横を通り過ぎる彼女が纏った風が、99%の嫉妬を100%の嫌悪に変えた。 彼女は自分の部屋に入って、扉を閉めようとしたが、寸前でこじ開け腕を掴む。 「男の匂いがする。」 「やっ…離して!」 髪の毛に鼻を擦りつけるように顔を埋めると、リオは逃げようと身をよじった。 「誰?僕が知ってるヤツ?」 「関係ないで…」 「あるね。」 相手の男に大体の予想はついていた。人口の少ないこの国では、結構有名なヤツだから。 殴りに行こうかとも考えたけど、今はただリオを感じていたい。 柔らかい唇を奪って、リオの部屋のベッドに押し倒すと、リオはより抵抗した。 「レン!…んっうぅ…っや、やめなさい!」 「リオがいけないんだよ。他の男とヤッたりするから。僕に感じたこと、忘れたわけじゃないでしょ?」 「あれはレンが無理矢理…!」 「無理矢理?そうだね、そう思ってもいいよ。リオは真面目だから、近親相姦なんてありえないもんね。でもね、あの時求めてきたのはリオの方だってこと忘れないで。」 「やっ、レン!…嫌!やめて!」 傷ついたリオを慰めるふりして襲ったのは僕の方。 だけどリオは抵抗もせず僕を受け入れた。 先に手を伸ばしたのはどっちだったっけ。 僕はリオが好きで好きでどうしようもなくて、姉とか弟なんて関係なかった。 リオにとって僕はきっと弟でしかなかったけど、あの時のリオには僕が必要で、そうすることでしか傷を癒やせなかったんだ。…ただの口実かもしれないけどね。 「リオ、罪を恐れないで。…愛してるよ。」 「…んっ、レン…」 “愛してる”と囁くと、リオは決まっておとなしくなる。 アイツはこんな甘い台詞言ってくれないでしょ?こんなに優しく触れたりしないでしょ? リオに傷ついてほしくない。アイツが憎い。 だけどリオがアイツに傷つけられた時だけ、僕はリオに触れることを許されるんだ。 なんて皮肉。 [*前へ][次へ#] [戻る] |