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Supreme Present


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 僕はきっと、彼女しか…リオしか愛せない。

 二人きりの生活はとても幸せで、いつか終わってしまうとわかっていても、僕はそれを求めてしまう。
 リオが僕だけのものにならなくてもいい。誰のものにもならないでいてくれたら。
 だけどリオ、君はずっと僕以外の誰かのものになりたかったんだね。



「おかえり。」

「ただいま…レンまだ起きてたんだね。」

「なんでこんなに遅かったの?」

「…私にも人付き合いってものがあるのよ。」


 僕の横を通り過ぎる彼女が纏った風が、99%の嫉妬を100%の嫌悪に変えた。
 彼女は自分の部屋に入って、扉を閉めようとしたが、寸前でこじ開け腕を掴む。

「男の匂いがする。」
「やっ…離して!」


 髪の毛に鼻を擦りつけるように顔を埋めると、リオは逃げようと身をよじった。

「誰?僕が知ってるヤツ?」

「関係ないで…」
「あるね。」


 相手の男に大体の予想はついていた。人口の少ないこの国では、結構有名なヤツだから。

 殴りに行こうかとも考えたけど、今はただリオを感じていたい。
 柔らかい唇を奪って、リオの部屋のベッドに押し倒すと、リオはより抵抗した。


「レン!…んっうぅ…っや、やめなさい!」

「リオがいけないんだよ。他の男とヤッたりするから。僕に感じたこと、忘れたわけじゃないでしょ?」

「あれはレンが無理矢理…!」

「無理矢理?そうだね、そう思ってもいいよ。リオは真面目だから、近親相姦なんてありえないもんね。でもね、あの時求めてきたのはリオの方だってこと忘れないで。」

「やっ、レン!…嫌!やめて!」

 傷ついたリオを慰めるふりして襲ったのは僕の方。
 だけどリオは抵抗もせず僕を受け入れた。

 先に手を伸ばしたのはどっちだったっけ。
 僕はリオが好きで好きでどうしようもなくて、姉とか弟なんて関係なかった。
 リオにとって僕はきっと弟でしかなかったけど、あの時のリオには僕が必要で、そうすることでしか傷を癒やせなかったんだ。…ただの口実かもしれないけどね。


「リオ、罪を恐れないで。…愛してるよ。」

「…んっ、レン…」


 “愛してる”と囁くと、リオは決まっておとなしくなる。
 アイツはこんな甘い台詞言ってくれないでしょ?こんなに優しく触れたりしないでしょ?

 リオに傷ついてほしくない。アイツが憎い。
 だけどリオがアイツに傷つけられた時だけ、僕はリオに触れることを許されるんだ。

 なんて皮肉。

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あきゅろす。
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