impatient
ホワイトデー〜如月と亜希の場合〜
「きっさらっぎくーん!おはよー!!」
「おはよう亜希さん。今日はいつにも増して元気だね。」
如月くんはニコニコと挨拶を返してくれた。
なぜかは知ってるくせに。だって今日は待ちに待った…。ああ、いつできるのかな。楽しみ。厨房で待っててもいいのかな。だめだめ仕事仕事!
「はい、これ。ホワイトデーのケーキ。」
「………………え!?」
相変わらずニコニコの如月くんがドンッと出したのは、本当に効果音をつけるならドンッって感じの。
「なにこれすごーいっ!おおきいね!可愛い!全部食べていいの!?」
「うん。亜希さんのために作ったんだから、食べられるだけ食べていいよ。」
「ありがとう如月くん大好き!」
「俺も。」
如月くんにギュッと抱き着いてパッと離れた。
「プリンアラモード?えっこれなに!?」
「ベースは普通のスポンジケーキだよ。亜希さんは色んなの食べたいでしょ?プリンとシュークリームとキャラメルと…まあ色々トッピングしたよ。ホワイトデーにちなんでホワイトチョコを基本テーマにしたんだけど、亜希さん好きだよね?」
「すきすき〜っ!なにこれチョコの中マシュマロだぁー!美味しい〜っ!」
「それはよかった。亜希さん本当に幸せそうに食べてくれるから作り甲斐があるよ。」
「幸せ〜っ。如月くんがいてくれてよかったぁ。」
「……ねぇ亜希さん。」
「うん?」
もぐもぐと色んなところを突いて食べていたら、如月くんが急に神妙な顔つきになった。
「あ…いや、…亜希さん、体重増えた?」
「……!!」
ごくん、飲み込んで恐る恐る如月くんを見上げた。
「わかる…?」
「ちょっとだけふっくらしたよね。この辺とか…。」
「ダメ!お腹は触らないで!」
「大丈夫。それくらいで可愛いよ。どうしても気になるなら俺も手伝うし。」
「低カロリーのスイーツ作ってくれるの?」
「運動で。」
ぐっと腰を引き寄せられた。
「亜希さん、ホワイトデー第二弾だよ。」
耳に如月くんの唇が触れる。
「俺をあげる。」
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(聞けないじゃん。俺とスイーツどっちが好きかなんて。はあ…女々しい…。)
---Fin
2012/03/14
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