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impatient
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幼い頃から会社の跡取りとして教育を受け、型に嵌まるように育てられてきた。

父親の会社を継ぐことに異論はなく、自分が将来行き着く先はそこしかないと、陽高自身も思っていた。

しかし決められたレールの上を歩くことに倦怠を感じ始め、それに反抗するかのように、いつしか不特定多数の女性と関係を持つようになってしまったのだ。

ただし関係といっても、体を重ねるだけで何の感情もない、未来への繋がりもないもの。

一度夜を共にした女性から次の誘いがあっても、もう用はないと、誘いを受けることはなかった。

性欲のためではない、敢えて言うなら崩壊欲、だろうか。

それまで完璧に作り上げてきた自分自身を、己の手で打ち砕いてみたかったのだ。

新しい何かと出会えるかと思えば、虚しさが生まれたのみ。


「あ、あの、陽高さ…」


しかしここに来て、紗奈を抱いた夜から、陽高の中に今までなかった新しい感情が芽吹き始めたのだ。

それは陽高が望んでいたものか、また自分を壊す材料になるのみか、まだわからない。


「嫌なら拒絶しろ。抵抗しないなら抱く。」


――茶番だな。紗奈の立場と控え目な性格から考えて、俺を拒みはしないだろう。綺麗事を並べ、あたかも紗奈のためにというふりをしながら、本当は俺が紗奈に触れていたいだけだ――


太股に手を這わせただけで、紗奈はぴくんと体を震わせ、切なげな吐息を漏らした。


「あっ…、…」

「…同意と見なすぞ。」

「ん、……ふっ…あ…」


陽高は、拒否はしないと確信していたが、少しでも嫌がるそぶりを見せれば、何もする気はなかった。

慈しむように肌を撫でる指にも、紗奈は敏感に反応し、悩ましげな息を吐く。


「はぁっ……」

「触れるだけで感じるのか?随分いやらしい体だな。昨日はあんなに初々しかったものを…やはりかまととだったか。」

「そんな…っ違います…!」


強い口調で反論した紗奈に、ほんの僅か驚いた陽高だったが、獲物を仕留める前の獣の目付きで紗奈を捕らえた。


「ならば、本当か確かめなければいけないな。」

「え…?」


目を瞬かせる紗奈を余所に、陽高は足首を掴んで大きく開かせると、下着を横に避けて、重い一撃を送った。


「ぁあっっ!」

「十分濡れているじゃないか。まだ何もしていないのに。」

「ゃ、ぃやっ……違…!」

「そんな声で叫んでも説得力がないぞ、紗奈。」

「ふ、ぁっ!ぅぅ…っ!」

甘美な音が響き渡る室内で、陽高は激しく紗奈を攻め立てた。

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