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impatient


それから長い時間、紗奈の声は部屋に響き続けた。

紗奈も徐々にこの体位に慣れてきたのか、少しずつ自ら腰を振り出し、いつもと違う妖艶な下着との相乗効果により、俺の上で舞い踊る紗奈の淫らさを一層引き立てる。


「はっ…あぅ…ん…っあ、ぁあ…」

「まだだ…。まだイくなよ。」

「やぁ…っ!」


俺は、一人で達しようとした紗奈の腰を掴み、快感を奪った。


「ひ、だかさま…ぁっ…」

「イきたいのか?」


恥ずかしそうに涙目を向けながら、縦に首を振る紗奈。

止めていた手を離すと、紗奈はまた一心不乱に踊り始める。


「ん、んっ…ふ、あ、あぁ…」

「中々、達せないようだな。手伝おうか?」


紗奈は口元に手の甲を当て、一瞬躊躇った後、一つ頷いてみせた。

その姿の、何と微笑ましい事か。

初めての騎乗位で、ここまでよく頑張ったな。


「どうすればいい?」

「えっ…あ、……」

「紗奈がして欲しい事を言えばいいんだ。」


この状況でも、未だ本能より恥じらいが勝つのか、しかし衝動には逆らえないようで、紗奈はぼそぼそと呟く。


「………て下さい…。」

「うん?」


茹蛸のような紗奈の頬を撫でながら聞き返す。

こうしている間にも自分でゆるゆると腰を動かして、膣内を度々締め付けてしまっている事には気付いていないのだろう。

切ない溜息を漏らしながら、俺に必死に訴える。


「…っはぁ。…いっぱい…突いて…イかせてください…っ」


羞恥と欲望に塗れ、本能に従い懇願してくる様は、俺の熱を集め埋めた場所にさらに血液を送る。

紗奈が主導権を握りたいというのなら、俺は何もせず極限まで焦らしてやろうと思っていたが、こんな紗奈を前に冷静な思考を取り戻す方が難儀だ。


「ぁあああっ!」

「早いな。だが本番はこれからだ…っ!」


理性で紗奈を抱く等、元より無理な話だったのだ。

それなら、何度でも絶頂に導くまでだ。


「やっ、ダメ、待っ…ああん!もうダメ…ぇ!」


例え泣き叫ぼうとも、それが歓喜なら、俺はどこまでも紗奈を高みへ連れて行く。


「あ、あ、ああっ……」


ぴくぴくと小刻みに体を痙攣させながら、紗奈は意識を失った。

ここまでするつもりはなかったのだが、目を覚ましたら怒るだろうか。

しかし俺には、紗奈の機嫌を直す自信と根拠があるから大丈夫だろう。


ベッドサイドの引き出しから、その自信を取り出し、眠る紗奈の手にそっとキスをした。

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あきゅろす。
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