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impatient

思考が停止した。

否、停止したのは俺の体だけであり、脳は活発に働いていた。


させて下さい、とは一体どこまでだ?

キスの話、まさかそれ以上もか?

それより紗奈は何故こんな事を言い出したんだ。



「陽高様…?」

「あ、ああ。」


何の反応も示さない俺を不審に思ったのか、紗奈は困り顔で俺を覗き込んできた。

俺は、慎重に言葉を選びながら口を開く。


「何をさせろ…と?」

「えっ…だから…、その……。」


先程よりも真っ赤になり口ごもる紗奈を見て、俺はやっと確信した。

本当に、そういう事か。


紗奈は自分から言い出したものの何をすればよいか分からないようだ。


「紗奈、上を向け。」


そう言って頬に手を添えると、紗奈は俺をじっと見つめた後ゆっくりと唇を近付けた。

軽く口付け合い、唇を僅かに開いて紗奈を誘導しようとしたが、紗奈は逃げるように唇を離した。

しかし拒否すれば俺を不快にすると悟ったのか、そのまま首に腕を回し抱き着いてきた。


「…ベッドがいいです。」

「そうか。」


直ぐさま紗奈を抱き抱えベッドに移動した俺は、腕の中から見上げる瞳に滑稽に映っているだろうか。


白いシーツの縁に座らせるよう紗奈を下ろし、俺もその右隣に腰を下ろす。

すると紗奈はキスをしながら、怖ず怖ずと俺の膝に左手を乗せた。

その手は股間まで這い、俺の心臓はドクンと強く音を立てた。


「楽にしてて下さい…ね?」

「ああ。」


紗奈はベッドから下り、俺の足の間に膝を付ける。

紗奈の手がベルトに掛かると、少しの緊張を覚えた。

気分を落ち着かせるために天井を向いて、紗奈に気付かれないように深呼吸していると、自身が外気に触れた。


「……っ」


同時に感じた息使いに思わず下に目を遣ると、紗奈が小さな口から赤い舌を覗かせ、既に半分以上勃ち上がった先端部をチロリと舐めた所だった。

そのまま健気に根元まで裏筋を伝い、何度か往復した所で、紗奈は不安そうに顔を上げた。


「陽高様…気持ちいいですか?」

「ああ、気持ち良いよ。」


紗奈の頭を撫でてやると、紗奈は嬉しそうに目を細め、舌の動きを再開させた。

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