impatient
4
「ん…!」
部屋に着くなり、激しく舌を絡め合わせる。
「あの、お夕食は…」
「いい。今は紗奈が欲しい。」
答えはわかっていたのに場違いなことを尋ねてみるのは、これからする行為の照れ隠し。
陽高様は、ベッド中央に座る私の後ろに手をついて、覆いかぶさるようにキスを続ける。
ゆっくりと押し倒されて、私の服ははだけられた。
「…あ、あの……お風呂…」
「後で、な。」
きっと、終わってから一緒に…という意味を含んでいる。
「ん…はぁ……あっ…」
露出した肌を順番になぞっていく唇が、酷くもどかしい。
焦らされていると意識すると、余計に欲しくなる。
「陽高、様ぁ……」
「うん?どうした、紗奈。」
縋るように手を伸ばすと、陽高様はそれを握り、指先を口に含んだ。
「……ッ!!!」
「ここも感じるのか?…本当に敏感だな。」
陽高様はフッと笑って、私のスカートを脱がしにかかった。
下着もゆっくり引き下ろされていく。
「糸、引いてるぞ。まだ何もしていないのにな。」
「や…!」
「ああ、また溢れて来た。俺に指摘されて…視姦されて、感じたか?恥ずかしいことをされると濡らすのだろう?」
「やっ。そんなこと…! も、言わないで下さい……ふぅ…っ」
「ん。ごめんな。」
恥辱のあまり泣き出してしまった私を、陽高様は頭を優しく撫でながら、涙を吸い取るようにキスしてくれた。
「紗奈…可愛い。」
「きゃっ!」
ぎゅっと体を擦り付けるように密着され、私の腿の辺りに陽高様の固くなったものがあたった。
いくら体を重ねても、慣れないものは慣れないし、恥ずかしいものは恥ずかしい。
「あ、あの……んあッ!!」
体と体の間に隙間ができたと思ったら、何も纏っていない下半身の中心に指をまとめて突き立てられた。
しかし中をそれ以上乱すことなく、指は引き抜かれる。
「っふ…?」
「もういいな。」
陽高様はベッド脇の引き出しから小さくて薄い袋を取り出し、歯と指で裂いて開けた。
準備を進める間にも、私の鼓動は早く打ち鳴る。
装着し終えた陽高様は、私の両脚を持ち上げ肩にかけると、狙いを定めて腰を打ち付けた。
「んあああっ!」
久しぶりに体内に感じる陽高様の感触。
私は悦びに鳴き叫び、簡単に絶頂に達した。
「早いな。そんなに待ち遠しかったか?」
陽高様は、軽く痙攣を起こす私の中をゆっくり移動しながら、両の乳房を丁寧に揉みほぐす。
そのうち、片方の尖端を口に含まれ、私はあられもない声をあげてしまった。
「あひゃぁんっ!」
もう変な声を出さないようにと手の甲に唇を押し付け、陽高様の顔を盗みみると、怪しげに微笑みながら粒を吸われ、同時に片手で下半身の芽を摘みあげられた。
「やあああぁーっ!!」
「…うん?嫌、か?」
「あ…ああ…ぁ…」
質問に答えさせる気はないのか、ゆっくりゆっくり腰をグラインドするのを止めようとしない。
「嫌ならやめるぞ。」
「ああっ!」
言葉の終わりと共に深く突かれ、
「紗奈?」
「やっん!」
名を呼び確かめながらもう一突きと、私を攻める。
「や……やめ…な…で…」
「じゃあ、どうして欲しい。」
「ひゃっ!……イかせて、下さい…」
陽高様は満足気に微笑むと、眉間に一つだけキスを落とし、激しい律動を始めた。
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