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impatient

次の日の午後6時頃、迎えを要請する連絡があったということで、私もまた車に乗り、陽高様の会社に向かった。

今日は地下駐車場ではなく、ビルの出入口の前に車をつけた。

陽高様は1階のロビーにいたようで、到着するとすぐに来た。


「ただいま、紗奈。」

「おかえりなさいませ。」


陽高様から見て奥、左ハンドルの車の助手席側にいた私にそう微笑みかけた。

発車するのが早いか否か、陽高様は私の肩をやや強引に抱き寄せた。

私の頭は、陽高様の心音が聞こえそうな位置にある。

久しぶりの落ち着いた甘い雰囲気に、私は既に酔いそうになっていた。



「紗奈。」


そのまま5分程経っただろうか。

名を呼ぶ声が聞こえた方へゆっくり顔を上げると、陽高様の顔が落ちてきて、私達は何日かぶりの深いキスをした。


「…んんんっ…ふ…ん、はぁっ」

「………」

「ん……んっ?んぅ…!!は……陽高様…っ」

長く口付けている間に、腿を徐々に上がってくる掌に気付いた私は、陽高様に抗議の意を示した。

運転手の目が気になって小声で訴えると、陽高様は私の耳元に唇を近付け囁く。


「ずっと触れられなかったんだ。我慢できると思うか?」

「…我慢してください。」

「嫌だ。」


まるで駄々をこねる子供のよう。

陽高様は私の耳を甘噛みして、先程の続きとばかりに腿に手を這わせた。

空いている手では、胸を優しく揉みしだく。

腿を上がる手は、ついに下着まで到着し割れ目をスッと撫で上げた。


「だっ駄目、です…!」


どうしても気になって、運転席を見ようとした時、ミラー越しに運転手と目が合った気がした。

車内は暗いし、見間違いかもしれないけれど、私は火を噴くのではないかというほど顔に熱を集め、首筋に顔を埋める陽高様の襟元を引っ張った。

「陽高様、本当にやめてください…っ」

涙声でそう言うと、陽高様は不満そうな、罰の悪そうな顔をして体を戻した。

「すまない。」


それっきり、車内は静寂に包まれた。

私が悪かったのかと、ほんの少しずつ罪悪感が募り始める。

私は緊張しながらも、指先を陽高様のそれと絡めた。


「あの、ごめんなさい…」

「いや。悪いのは俺だ。自分を止められなかった。」


陽高様も指を絡め返してくれる。

とん、と肩に頭を乗せて寄り掛かると、繋いでいない方の手で頭を撫でてくれた。


「帰ったら、狂う程鳴かせてやる。」

「……!!」


その感触を想像して、じわりと私から溢れ出る蜜。

顔を赤らめる私を見てクスリと笑う陽高様は、きっと私の何もかもを見通しているのだろう。

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