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impatient

いくら否定しても、冷たい瞳で見下ろされるだけ。

涙は目尻を伝い、耳からシーツへと落ちる。



「信じて…ください…ッ」


漏れる嗚咽に、乱暴に体を触っていた陽高様の指が、微かに反応した。

やっと、ちゃんと目を合わせることができる。



「私には陽高様だけ…」

「……。」

「生涯、陽高様だけです。」

「紗奈…」


怒りの表情から一転、切なそうに私を抱きしめてくれた。


「手荒にして悪かった。」


後頭部を撫でる陽高様の手が温かくて、私はやっと安心することができた。


「痛かっただろう。ごめんな。」

そう呟くと、陽高様は体ごと下へ移動していった。

まさかと思う暇もなく、敏感な部分に感じる熱。

顔をそちらに向けると、脚の間から、陽高様が舌を伸ばしているのが見えた。


「……ひゃん…っ」


私は急な甘い刺激に耐えることができず、高い声を飛び出させる。

それが恥ずかしくて、口元に左手の甲を押しつけた。


「ん…ッんー……」


まだまだ続けられる、甘く優しい愛撫。

頭を少しだけ起こして、ちらりと陽高様を盗み見た。

視覚からも快感を得ようとする私は淫らだろうか。


けれど、いつまでも舌と指で入口付近を弄るだけ。

さすがに焦れったくなってきて、脚をもぞもぞ動かし、次のステップを要求する。

すると陽高様は、わかっていると言うように微笑した。



「あ…!!」

「紗奈…可愛いよ。」


我慢していた声を抑えきれなかったのは、陽高様の指が私の奥を押さえたから。

陽高様は私の顔中に軽いキスを降らしながら、指の動きを激しくする。

それだけでもう、私は真っ白になってしまいそう。

だけどもう一歩の所で、それを許してくれない。



「あっあ、ん…っ陽…高様ぁ…!」

「ん?」

「…やぁっ」

「嫌?」


嫌なはずないってこと、陽高様もわかってる。

わかっていて聞くのはきっと、陽高様の独占欲の象徴。



「紗奈、イきたいか?」

「は…い…」

「指で?」


会話をしながらも、陽高様の愛撫は続く。

私は首を横に振った。



「陽高、様…と、…一緒がいいです…っ」


そう陽高様を見つめると、深いキスをくれた。

上顎から歯列を舌でなぞられ、腰が浮いてしまう。

その隙に、着ていた衣服を全て脱がされてしまった。


陽高様も、唇を離して服を脱ぎだす。

その光景も、酷く色っぽい。

見とれていると、また舌を絡め取られて、疼く場所に熱い塊を宛がわれた。

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