impatient
2
いくら否定しても、冷たい瞳で見下ろされるだけ。
涙は目尻を伝い、耳からシーツへと落ちる。
「信じて…ください…ッ」
漏れる嗚咽に、乱暴に体を触っていた陽高様の指が、微かに反応した。
やっと、ちゃんと目を合わせることができる。
「私には陽高様だけ…」
「……。」
「生涯、陽高様だけです。」
「紗奈…」
怒りの表情から一転、切なそうに私を抱きしめてくれた。
「手荒にして悪かった。」
後頭部を撫でる陽高様の手が温かくて、私はやっと安心することができた。
「痛かっただろう。ごめんな。」
そう呟くと、陽高様は体ごと下へ移動していった。
まさかと思う暇もなく、敏感な部分に感じる熱。
顔をそちらに向けると、脚の間から、陽高様が舌を伸ばしているのが見えた。
「……ひゃん…っ」
私は急な甘い刺激に耐えることができず、高い声を飛び出させる。
それが恥ずかしくて、口元に左手の甲を押しつけた。
「ん…ッんー……」
まだまだ続けられる、甘く優しい愛撫。
頭を少しだけ起こして、ちらりと陽高様を盗み見た。
視覚からも快感を得ようとする私は淫らだろうか。
けれど、いつまでも舌と指で入口付近を弄るだけ。
さすがに焦れったくなってきて、脚をもぞもぞ動かし、次のステップを要求する。
すると陽高様は、わかっていると言うように微笑した。
「あ…!!」
「紗奈…可愛いよ。」
我慢していた声を抑えきれなかったのは、陽高様の指が私の奥を押さえたから。
陽高様は私の顔中に軽いキスを降らしながら、指の動きを激しくする。
それだけでもう、私は真っ白になってしまいそう。
だけどもう一歩の所で、それを許してくれない。
「あっあ、ん…っ陽…高様ぁ…!」
「ん?」
「…やぁっ」
「嫌?」
嫌なはずないってこと、陽高様もわかってる。
わかっていて聞くのはきっと、陽高様の独占欲の象徴。
「紗奈、イきたいか?」
「は…い…」
「指で?」
会話をしながらも、陽高様の愛撫は続く。
私は首を横に振った。
「陽高、様…と、…一緒がいいです…っ」
そう陽高様を見つめると、深いキスをくれた。
上顎から歯列を舌でなぞられ、腰が浮いてしまう。
その隙に、着ていた衣服を全て脱がされてしまった。
陽高様も、唇を離して服を脱ぎだす。
その光景も、酷く色っぽい。
見とれていると、また舌を絡め取られて、疼く場所に熱い塊を宛がわれた。
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