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impatient




今日は、陽高様にプロポーズされてから、初めて迎える誕生日。



もうただの使用人と雇い主の関係ではないのだから、何かあげたいと思い、ケーキを作ることにした。



「…できた!」

「初めてにしては上出来ですよ、紗奈様。陽高様もきっと喜ばれます。」

「ありがとうございます。如月(キサラギ)さんのご指導のおかげです。」

「いえいえ。僕は当然のことをしたまでですから。お力になれてよかった。」



爽やかに微笑む彼は、屋敷の専属パティシエである如月さん。

ケーキを作ったことのない私に、丁寧に教えてくれた。


「そろそろ帰って来られる頃じゃないですか?」

「そうですね。…あの、時間になったら、陽高様の部屋まで運んできてもらえませんか?」

「喜んで。」




私はワクワクしながら、玄関まで出迎えた。


「お帰りなさいませ。」

「…ただいま。」


陽高様の荷物を持ってきた執事からそれを受け取ろうとしたら、横から大きな手が伸びて荷物を奪った。


「前から、いいと言っているだろう。」

「すみません。でも…」

「いいから。」

「はい…」



あからさまに機嫌が悪い陽高様に、私は畏縮してしまう。

パーティーで疲れたのだろうか。



部屋に着くと、陽高様は上着を脱いでソファーに投げた。

無言で怒りを表すように黙ったままで、とても居心地が悪い。



「紗奈。」

「は、はい。」

「何か俺に言うことはないか?」


何のことだかわからず、けれどないとは言えない圧力をかけられ、私は黙り込んでしまった。


「…わかった。質問を変えよう。」

「きゃっ!」


何がわかったのか、陽高様は私の腕を引っ張り、ベッドへ投げ飛ばした。

思わず閉じていた瞳を開けると、目の前には無表情な顔があった。


「陽高様…?」


いつもと違う様子に少しの恐怖を感じながら、次の言葉を待った。

ようやく口を開いたと思ったら、同時にスカートの裾から手が入り込んでくる。


「……っ!?」

「俺だけでは、満足できなかったか?」



言っている意味がわからない。

けれど陽高様の目は真剣だ。

きっと何か勘違いしている。



しかし、下着の横から長い指が侵入し、乾いたそこに乱暴に突き立てられたせいで、私の口からは苦痛の声しか出なかった。


「いっ…」

「こうして触れさせたんだろう?」

「な…に……」

「最近、如月と仲がよかったようだな。」

「違…っ!陽高様……やめ…誤解です…っ」

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あきゅろす。
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