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2nd Season
銀の雪。


12月24日、High-Gradeのクリスマスコンサートin千葉を終えて、自宅マンションに着いたのは日付が変わった25日だった。

この季節に夜中の車の運転が急に危険になる事も考えて最近はタクシー移動。

ヤマナツがチケットを運転手に渡して2人でゲートを潜りマンションの庭へ入った。

「お帰りなさいませ。」

いつもゲートの内側で警備をしている人が声を掛けてくれる。

「ただいま、寒いのにご苦労様です。」

俺がそう返事を返すと、その人の目が少し微笑んでいた。

雪でも降り出しそうな位寒い。

風除けのある場所とは言え外の警備は大変だと思う。

「冬の間は、1時間交替なんだって。」

横からそう俺に話しかけたヤマナツの解けたマフラーをぐるりと巻いてやる。

「寒いもんな。」

1時間おきに2・3人で警備を回してるのだとか。ココ以外にも駐車場とかの方にも警備の人が居るし、マンションの中のセキュリティ会社内には24時間で何人かの人がこのマンションの安全を見守ってくれてる。

建物に入ると、エレベーターの横にあるポストに赤いランプが点いてる。

ポストに中身が入ってる表示だ。

ん?今日って土曜日だよな。

そう思いながらポストにICチップ入りのキーホルダーを翳してポストのロックを解除して蓋を開ける。

白い封筒が1つだけ入ってた。

取り出して裏表を見てるとヤマナツが「あぁ。」って声を上げた。

封筒には住所とか書かれてなくて、綺麗な流れるような筆記体の英字で宛名が書かれてた。

「Dear natsuki.y。」

その宛名を読んだ俺に、ヤマナツが微かに笑った。

「サンタクロースが来たんだよ。」

静かに、そう言って笑ったヤマナツがエレベーターのボタンを押した。

白い封筒をヤマナツに渡してその目を見つめた。

そうだった。毎年クリスマスにヤマナツにはサンタクロースからの手紙が来るんだった。

何を送ったのか記した手紙で、次の年のクリスマスに新しい手紙が来るまでは開けてはいけない手紙なんだと、去年の今頃教えてくれた。

去年の手紙はまだ開けてないから内容は分からないが、一昨年に貰った手紙の中身には「何とかな仲間」だとか書いてあったとか。

あぁ、この間春馬さんが帰って来た時にその事聞いてみれば良かったな、残念。

エレベーターが静かに止まって自分達の部屋のフロアに着いた。玄関を開けて部屋の電気を点ける。

「風呂、入るよな?」

「うん、温まりたい。」

短く会話をしてそれぞれの部屋に荷物を置く。上着を脱ぎながらリビングへと向かうヤマナツを見る。手に持った白い封筒が気になる。

開けないんだろうけど。

気になるのは、去年の方の手紙の内容。

「明日何時に出る?」

「ん〜…9時?」

「そだな、それ位だよな。」

お互いに苦笑い。だって今の時間が午前2時を半分過ぎた所。

明日も都内のホールでコンサートが2公演ある。

直接会場に向かっていいとマネージャーが言ってたからまたタクシーで向かう予定。

ふわぁ…と欠伸をしたヤマナツ。タクシーの中で少しだけ目を瞑っていた。

「疲れたな。」

「うん。」

「風呂、先に入っていいぞ。」

「うん……、」

頷いて、着ていた上着のジップを下げたヤマナツがソファの肘掛けに腰を置いたまま俺を見上げた。

「一緒に入ろうよ。」

いいけど、

「悪戯、すんなよ。」

そう言った俺に、ヤマナツがハハハって笑った。

最近知った事だけど、程よく疲れたヤマナツはエッチな気分になる事がある。

そうでなくても、ここ1週間はコンサートや仕事の関係でセックスしてねぇから俺もちょっとエッチな気分だ。

「お互い様だろ。」

悪戯っぽい視線を俺に向けて、ベルトのバックルを外したヤマナツがボトムのボタンを外して立ち上がった。

俺もジャケットのボタンを外して脱ぐと、ヤマナツが近付いてきて身体を寄せてきた。

「俺は別に悪戯されてもいいのにな。」

誘うな、煽るな、可愛いコぶんな。

「エロナツ。」

短くそう言い返して風呂場へと向かう。






先に悪戯を仕掛けたのはヤマナツだった。

自分の身体を洗うその手付きがいやらしくて、……まるで自慰をするような手付きで股間を洗うヤマナツの姿に我慢できなくなったのは……俺だった。

「あ、は、……ぁ、も……、」

「もう、イきそうか?」

泡に塗れたヤマナツの身体を後ろから撫でながら聞く。

「……あ、でも………、」

ぴったりと重ねた肌がさっきから何度も震えて快感を吐き出したいと訴えてる。

「アズマ、く…んも、……一緒に、」

イきたい、のだ、と。俺の性器に手を伸ばす。

浴槽の縁に手を掛けたヤマナツの足の間に俺自身を捻じ込ませ、2つ寄り添った男の欲望を握った。

まぁ、素股だ。

俺の左手に添えるようにヤマナツの右手が2人分の性器を掴む。

「ね、……一緒に、」

「……ったく、お前は……っ、」

甘えたような声に自分の下肢が震えるのを感じた。これは武者震いだと、思った。

吐息とお風呂の中に散る水滴の音、擦れる淫らな音。

俺よりも、ほんの少し先に熱を放つヤマナツの震えに誘われて俺も後を追う。

浴槽の壁に飛んだ、どちらのものとも区別がつかない2人分の精液が床へと流れ落ちていく。

「……ん、……や、も、ダメ。」

「分かってる、」

握った手の中のヤマナツの性器を緩く扱く。

「……あ、」

「もう少し、堪能させろ。」

根元から握った手をきゅっと先端へ動かすと、ヤマナツの口から可愛い呻き声が漏れ、その先端からは白い粘液の残りがトロリと溢れて零れる。

「……ん〜…っ、もぅ……、ねちっこいと嫌われるぞ。」

「俺の恋人、ねちっこいの好きだから平気。」

文句を言ったヤマナツにそう言い返してやると、ヤマナツの踵が俺の脛を蹴った。





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