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忠実恋愛事情

「それなら、頑張りがいがありますね」


まぁ、身代わりとは言っても、まだなにもされてはいないが。

もし耐えられなくなったなら、俺に当たれと言った。
だから、やりすぎた制裁はするなと伝えた。
つまり俺は、制裁対象の身代わりだ。

一応、現時点では成功しているのだろう。
親衛隊員はそれはできないと、耐えてくれている。


「一体どんな魔法を使ったんだ。お前が隊長になるまで、言うこと聞かなかったんだぞ。面倒ったらなかった」

「先生、面倒嫌いですもんね」

「誰だって嫌だろう」


気持ちはわからなくもない。
が、仮にも教師がここまで面倒嫌いでいいのかと心配にもなる。

絶対事件が起こったらキレるタイプだ。


「誰かがやらなくては、終わらないんですよ」

「……どうかしたのか?」

「いえ、こちらの話です。ところで、転校生がこれから大変かもしれません」


制裁の許可が出たと知った茉貴の喜びようは大きい。
恐らく、小さないじめは明日にでも始まる。

きっと、会計はすでに虜なのだろう。
一般生徒は立ち入り禁止である、生徒会室へ連れて行ったんだ。
間違いないと言ってもいいだろう。


「確かにな。俺としては、やっちまえと思うんだが……理事長の甥だしな」

「理事長の心配はありませんが、俺の立場上の問題があるのでなんとも」

「あぁ、早乙女一族に仕えてんだったな。生徒会長護るためだったか、親衛隊長なったのは」

「はい」


一応担任ではあるから、知っていてもおかしくはない。

だが、違う。
こいつは、できるやつだ。


「先生、俺は確かに早乙女一族に仕えていますが、会長様の情報はどこで知ったんです?この情報には、厳重にロックがかかっているはずですが」

「あー、やっぱ似てんな。早乙女も、橘も……親父さんそっくりだ」

「……父と、知り合いですか?」


なぜ、ただの教師が俺達の父親を知っているんだ。

いや、知っているのは当たり前だ。
そうではなく、似ていると言った意味が知りたい。

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あきゅろす。
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