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新月を追って
11
 強く激しい願望を無理矢理押さえつけながら依月は再び手を伸ばした

「あ…」

 敦志の意識が戻ったのは依月にお湯から抱き起こされたときだった。温かさに包まれていた身体が急に寒くなったので目を覚ましたのだ
 状況が急に変わったので、少しだけ身動ぎをしたが依月が支えてくれていたので、どうにか自分でも足をつき、立ち上がることが出来た

「ごめっ…」
「いいよ、上がろう?逆上せちゃうよ」

 自分で立つことが出来ても未だ抱きしめている依月にそう笑われると、敦志は大人しく頷いていた



 脱衣場に戻ると依月が手早くバスタオルを持ってきて敦志の体をくるんでくれた
 礼を述べようとするが依月はいつまでたっても敦志を離そうとせずに抱きしめたままだ
 当然、依月の昂ぶったそれも押し当てられることになり敦志は怪訝な顔で依月の方を向いた。目を向けると依月が切なげな目で見つめてくる
そして

「ごめん、俺…」

 謝罪を口にし、それとほぼ同時に唇が重ねられた


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あきゅろす。
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