新月を追って
6
「笹山さんにお預けくらってんならいいけど、アイツにだと思うとなんかさー」
ダンダンと机を叩く斉藤。違うクラスで外村がいないからそんなことを言っているが実際、外村を目の前にすると逆らえる者はほとんどいなかった。
外村自身も厄介だが外村が地元の名のある企業の御曹司というのも彼に従う者が多い理由である
そんな風に尊敬しているわけでも認めているわけでもないのに大きな力で逆らえないことが斉藤には不満のようだった
「あ、そういや外村今日休みじゃなかったっけ?」
「まじで!!」
また気の抜けたような声で奥野が言う。相変わらず目線はジャンプだが斉藤が大声を上げてこちらを見たのでつられて斉藤を見る
「なぁ…ヤろうぜ?」
斉藤は小声で言いながら奥野をじーっと見つめてきた。期待に目をキラキラさせながら奥野はうわーっと思いながら
「まじで?」
と聞き返した
「ぜってぇバレねぇよ」
どっから来た自信なのか、やけに自信満々で斉藤が言う
「笹山さんは?」
「それはバレたら俺がどうにかするから」
な?っと拝まれて結局奥野は斉藤と鬼の居ぬ間のなんとやらをすることにした
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