新月を追って
1
「ったくあのセンコー信じらんねぇっ」
次の時間の教科書を机に投げるように出しながら斉藤が喚く。だーっとまた声を上げて机にうつ伏せる教科書に顔の右半分をくっつけながら左耳のピアスを弄る
「センコーがどうしたって?」
気の抜けた声で奥野が声をかける。斉藤はガバッと起き上がり何かを言おうとしたが、奥野がジャンプを読みながらこちらを見ようともしないことに、話す勢いをなくして正面を向きながらポツリと言った
「明日ミニテストなんて聞いてねぇっ」
「あー…いきなりだったもんな」
奥野は相変わらずジャンプから目を離さずページを捲り続けている
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