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新月を追って

 松島はそんな敦志にクスクス笑って

「いいよいいよ、全部あげる」
「え!?…いいんですか?」
「うん…その代わり、菓子パン1個ちょうだい」
「ぁ、はい、どうぞ食ってください」

 敦志は菓子パンを一個、松島に渡した。そして嬉しそうな顔でサンドイッチの包装を開け始める。途端にあたりにパンの匂いが立ち込める。それすら食欲をそそって敦志はしあわせそうな笑みのままツナサンドを頬張る

「なんか中西ちゃんってさ…かわいい」
「か、かわいい!?」

クスクス笑っていた松島が突然そんなことを言い出すもんだから敦志は食べ物を喉に詰まらせてしまったらしい、苦しげな表情で慌てて牛乳を手にする。
牛乳で食べ物を流し込んだあと

「変なこと言わないでくださいよ」

 生き返った、といった表情で敦志が言う

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