新月を追って
５
「中西ちゃんは、菓子パンだけ？」
尋ねながら牛乳パックの穴にストローを突き刺す
「はい…ほとんど売り切れちゃってて」
「それだけだと食った気しなくない？サンドイッチ半分食う？」
と松島はサンドイッチを二人の間に置いた。タマゴとツナのサンドイッチだ、食べたくないというのはうそになる
「いいんですか？」
「いいよ」
「じゃ、じゃあ俺…」
とサンドイッチに目線を向けたまま敦志は考え込んで無言になった
「中西ちゃん？」
「あ、すいませんっ…迷ってて」
「どっちも食べたい？」
「はい…あーっどっちにしよぅ…」
照れくさそうに言ったあと敦志は頭を抱えてうーんうーんと唸っている
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