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新月を追って

「中西ちゃーん」
「あ、松島さん」
「わりぃ俺にも牛乳買って」
「あぁはい」

 紙パックの牛乳を二つ持って人ごみから抜け出して松島のところに行く。
 牛乳です、と牛乳を渡すと松島はこんなことを言い出した

「中西ちゃん、俺と一緒に昼飯しない?」
「え、ぁ…でも…」
「いいじゃん?たまには俺、中西ちゃんと話したいな」

 なんて反論を許さないような笑みで手を引かれて敦志は学校の屋上まで連れて行かれた。屋上へのドアを開けると松島は上を見上げて

「あーっいい天気…」

 と目を閉じて胸いっぱいに空気を吸い込んだ。そして誰もいない屋上に驚いた様子だった

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