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新月を追って

 依月の隣を通り過ぎ不意に肩越しに振り返ると通り過ぎたというのに依月の視線はすでに敦志の方に向いていた。
 更に急いで階段まで駆け込み、依月の目の届かないところまでくると立ち止まり、少しだけ呼吸を落ち着かせた。
 それでも頭の中にはあの視線がこびりついて離れない、いっそ軽蔑した眼差しなら楽だった。何を考えているのか読めないあの視線を振り切るように首を横に振り、もう既に何人もが追い越していき人でごった返す階段をようやく敦志も駆け下りていった

 人ごみをすり抜けてパン売り場にたどり着いたときには既に買おうと思っていたツナマヨのパンは売り切れていた。甘い菓子パンだけが売れ残っていて昼飯に菓子パンだけかぁ…と思いながら仕方なく菓子パンを二つ買い、ついでに紙パックの牛乳を買っていると後ろのほうから誰かに呼ばれた

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あきゅろす。
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