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新月を追って

 四時限目の終了のチャイムの音は戦いの始まりを告げる音である。一階の生徒玄関の付近でパンが売られるのだ。それに1年から3年までが押しかけるため生徒玄関は混雑し、少ないパン販売スペースはバーゲンさながらの争奪戦が毎日、繰り広げられていた。
 誰もが1秒でも早く行き、有利に楽にパンを手に入れたくて気が気でない様子で時計と睨み合っている。敦志も勉強にまったく身が入らなかった

―――キーンコーンカーンコーン

「先生早く早く!」
「じゃあ終わります…」
「起立、礼!」

 礼をしたか、してないか分からない程急いでいつものように教室を飛び出す。教室を出ると隣の組の廊下に既に人が立っていた。依月だった。
 あれ以来毎日、そうだ。この昼休みだけじゃなく、隣の組と合同の体育の時などもその視線を感じる


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あきゅろす。
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