新月を追って 6 「ったく…そんなに前が嫌なら後ろで奉仕しろ」 「笹山さん」 「あぁん?」 「俺が準備します」 それは外村だった。突然手首を掴まれて無理矢理引っ張りあげられ、立ち上がると今度はグイッと今まで外村がいた方に連れていこうとする。敦志は嫌がってはみたものの外村の力が強く、最後は半ば引きずられるようにして奥村、斉藤の座っている横長のベンチに連れて行かれた。 「斉藤、お前こいつ羽交い締めにして」 「え?」 「見てるだけなんだろ?それくらいしろ」 あぁうん、と歯切れの悪い言い方をして斉藤はベンチに跨るようにして座らされた敦志を後ろから羽交い締めにする [*前へ][次へ#] [戻る] |