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新月を追って

松島は気にせずに続ける

「風呂さ…そろそろ行った方がいいと想う」

 松島が柱にある時計を見て、つられて敦志も視線を向けると10時半を回ったところだった。
大浴場の使用は時間が制限されており、そのことを言いたいのだろう

「一応、拭いたけど…そのまま寝たくはないでしょ?」

 そう言われて、途端に汚れた事を思い出し頬が熱くなった
 チラッと自分の身体に視線を落とすと確かに身体についたはずの精液はふき取られていた
けれど、洗ったわけではないと考えると気持ち悪さがこみ上げてくる
このまま寝るなんて冗談じゃない

「それに中も出さないと、腹壊すから」
「じゃ…じゃあ、俺風呂入ってきます」
「…一人で出来る?」
「出来ますっ」

 敦志はきっぱり言い切った。実際、出来るかどうかはわからなかったが誰かにまた触られるのは御免だった
 その後松島がバッグをとってきてくれてジャージを着て、着替えを持って大浴場に向かった
 動くたび、歩くたび、身体が痛んだが部屋に戻るよりはマシだった

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