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新月を追って

 目を覚ますと天井の木目が目に入った。四角い和風の蛍光灯がまぶしい。


―――俺、どうしたんだっけ…

 敦志はおぼつかない頭でそんなことを思いながらみじろぎする。少し動いた途端に体中が悲鳴を上げた。
 そういえば、と頭だけ起こして身体を見ると自分のジャージの上だけ身体に掛かっていた。
 あれが夢でないことを悟り苦い気持ちになりながら痛みを堪えて起き上がった。
 辺りを見回すと何故かみんな浴衣姿になっており、携帯を弄りながらケタケタ笑って

「外村っあの画像送れよ」
「他に送っちゃだめっすよ」
「わかってるわかってる」
「あー、きたきたっ」
「…うわっエロっ」

 面白がって笑ってる彼らが見ているのがなんなのか想像がついて敦志は逃げ出したくなった。
しかし、格好が格好だ。このまま外に出るわけにはいかないし着替えの入ったスポーツバッグは外村たちのすぐ近くにあった

「起きた?」

 どうにもできずに俯いていると松島がそう敦志に声をかけながら近寄ってきて反射的に上体だけ後退り、逃げてしまった

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