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新月を追って
18
「…こんななってるのによくいうね」

 漸く唇が離れた後に勢い良く文句を言った敦志だったが、逆に松島に忘れかけていた敦志自身を撫で上げられ、思わず言葉を失い
これ以上はしないでほしいと、すがるような視線を向ける。
 その潤んだ瞳が松島には強請られている様に見えたのだろうか、手は止めるどころかそれを握りこんで扱きだした。

「は、ぁっああっ!」

 前後の刺激に敦志は我慢しきれずに声を上げて仰け反ってしまい、再びドアにバンッと音をたてて背中を打ちつけてしまった。
 これだけ大きな音を立てていたら、恐らく奥の部屋にいる二人にも聞かれてしまっただろう。

"誰か"に聞かれてしまった。
"誰か"に穢れた自分を知られてしまった。

 敦志は微かな嬌声を吐息と共に吐き出しながら、不安げに瞳を揺らし、松島を見ないまま呟いた。

「たの、むからっ…もぅ…」
「そんないや?…もう、欲しくてしょうがないくせに」

 その言葉に思わず視線を上げた敦志は松島と目が合うと途端に頬を紅潮させて目を逸らした。
 確かに指を挿入され慣らされるうちに、もどかしい様に腰が揺れはじめて、そうなのかもしれないとどこかで思う。
 けれどもそれを認めたら、足元から崩れ落ちてしまいそうな気さえもしていた。

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あきゅろす。
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