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新月を追って

「あぁだからその、今まで悪かった。頭では分かってたんだ、今まで通り普通にしなきゃって……でもそう思ってても上手くいかなくてその内避け、るようなことになっちまって……だから悪かった」

 そう頭を下げられて敦志は焦ってしまい、激しく首を横に振りながら、そんなことやめて欲しいと頼んだ

「謝らないでくださいっあんなの、見たら誰だって
意識しちゃいますって!」
「でもお前を傷つけた」
「……俺は、嫌われたわけじゃないって分かっただけでいいんです。これからっ前みたいに直ぐは無理でも、戻れたら……それだけでもう、いいんですよ」

 どこか悲しげに、でも精一杯はにかんで見せる敦志に直哉は自分の今までの行動を思い出して胸に棘が刺さったような苦しさに視線を逸らして俯いた

「ワリィ、ホントに……すぐ、前みたいにいかないかもしれないけど、でも俺はお前を嫌いになったりしない。それだけは約束する」

 いつの間にか顔を上げて真剣な瞳で逸らすこともなく見つめながら直哉が告げる。その真剣さにどんどんと敦志の胸は切ないほど熱くなり、じわじわと視界がぼやけて微笑むより先にぽつりと涙が零れ落ちて頷くのがやっとだった

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