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新月を追って
13
「そん時直哉さんに相談したんだけど……あーっ確かにセフレはよくないって言われたかも! でも、そんなのさらっと言われたぐらい。あとは親身になってくれたのに……なんで? なんで中西には冷たいわけ!?」
「ち、千田…」

 話している内に怒りが抑えられなくなってきた千田が突然声を荒げて叫びだして敦志は驚き、嗜めるように肩に手を置いた。それに我に返った千田は途端に赤くなってごめん、と恥かしそうに笑った。その笑顔がかわいらしくて思わずつられて照れくさくなる敦志に

「俺、直哉さんに文句言ってあげるよ」
「えっい、いいよっそんな」
「良くないって直哉さん酷いし」
「酷くなんかっないよ直哉さんは! だって、俺が……悪いし」
「でも直哉さんには関係ないじゃん、付き合ってるわけでもないのに冷たくするのは中西もかわいそうだけど、チームメイトって部分でも大人気ないじゃん」
「そう、だけど……直哉さんは怒らないでっ」

 再び怒りで口調が荒くなる千田におろおろとした後、その袖を掴んで真剣にお願いをする敦志。一瞬、目を丸くした千田は次の瞬間には肩を震わせ笑い出した

「なん、だよっ」
「ごめん……中西って直哉さん好きなんだなって思って」

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