新月を追って
8
「お俺が……腰痛い、って」
何故だか恥かしくて小声になっていく敦志に、あーと手を打って千田が思い出したように言った。にこやかに
「だって監督がお前もかーっ! て怒るしさ」
腰痛いくらいで怒ることないじゃんねーとプンプンしている千田に敦志は思いつめていたことも忘れてクスクス笑った。そのことに千田は一瞬キョトンとしたが直ぐに自らも嬉しそうに笑みを浮かべた
「……あのさ、中西はなんで腰痛いの? 俺はヤりすぎ」
「ぶっ……なな、なに言ってんだよっ!」
一瞬和みかけた空気をブチ壊して千田はこともなげにヤッただの真昼間の青少年の会話としてはふさわしくない単語を吐き出した。美少年の口からそんな言葉が、と敦志も無駄にあたふたしながら説教でもしそうな勢いで言い返した
「え、なんで恥かしがんの? 女の子じゃないんだから」
「いや、そうだけど……でもさぁもう少しっ」
「中西、俺誰にでもヤッたとか言ってるわけじゃないよ?」
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