新月を追って
7
「中西ーっ」
校門に向かって歩いていると聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた。思わず立ち止まりかけると
「どわっ」
突然後ろから抱きつかれた。慌てふためきながら後ろから抱きつく物体を振り解こうとしていると残念そうに巻きついていた手が離れた
「な、なに」
漸く落ち着いた敦志が呟き視線を向けると、そこには今年の大当たり! 学年1の美少年と噂の千田 潤が立っていた。千田はにこにこと笑みを浮かべながら
「中西も帰るんだろ? 一緒帰っていい?」
「え、あぁ……って千田部活は?」
「一緒だよ、休み休みー」
千田は不思議そうな顔をしたあと、ブンブン両手を振りながら部活を休むことを強調した。しかも心なしか……
「俺も腰痛くてさ」
「……なんで知ってんの!」
「なにが?」
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