新月を追って 14 反らされることのない瞳が僅かに清々しささえ感じさせ、少し笑みを浮かべる唇 一瞬、外村は眉間に皺を作ったがその不機嫌そうな表情が狂気のような笑みに染め替えられていくのを目の当たりにして再び恐怖に敦志の瞳が揺れる 「お…俺はもうっ誰に見られたって構わないんだ! どうせっ…どうせ誰に見られたって同じなんだ!」 自分に言い聞かせるように叫ぶとただ黙って笑っていた外村が敦志を見据えた そして、低い声で話し出す 「ふぅん、じゃあお前はサッカー部どころか学校中から肉便器として扱われたいわけだ?」 「にく…?」 「ここに突っ込まれてぶっかけられるだけのモノになるってことだ」 ここ、と言いながら外村の膝が敦志の両脚を割って股間を押し上げた 壁に押し付けられたままの敦志は逃れることが出来ずにそれを甘んじて受け、衝撃に思わず短く声を上げ、そしてそのまま密着している外村の膝への違和感に耐えながら唇を噛み締める 「そ…そんなのっならない」 「…お前の意思なんか関係ない、考えてみろ?むさ苦しい男子校でみんな欲求不満だ。あの写メをバラ撒けばどうなるか…分かんだろ」 外村の言葉に脳裏に最早日常と化している行為の断片が流れ込んでくる。悔しさと悲しさと恐怖と諦めと、そしてそれらを覆いつくす程の快楽 [*前へ][次へ#] [戻る] |