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新月を追って

「え、ぁ…廊下、ごめん」
「…え? 気にしないで、どどうせ暇だしったまには掃除もしなきゃだってっ……な? 中西は風呂入って! ほらっ」

 もう着てないに等しかった甚平の上着を脱がされ、素っ裸にされると浴室に押し入れられドアを閉められてしまった。
 行為の後でだるい敦志は溜め息を吐きながら億劫そうにシャワーのコックを捻った。
 雨のように容赦なく降り注ぐシャワーは汚れを落としていく。ボディソープを泡立てて入念に洗ったとしても全て洗い流すことが出来ない気がするのは穢されたと心に刻み込まれているからだろうか?




 頭からシャワーを被っても激しく横に振ってみてもスッキリとした気分にはならず、敦志は次第に諦めて浴槽に浸かることにした。
 温かい温度に包み込まれ、漸くホッとした気分になりズルズルと口元までお湯に沈んでぶくぶくと口から空気を吹き出しながらぼんやり今日の出来事を思い出しはじめた
 廻されて喘いでいた自分、外村をいやだと思っているのにそれでも突き上げられれば女のように喘いでいたことを


―――こんなのっ…もし直哉さんに知られたら

 思い出せるのは優しげに笑う顔だけ、あの顔が軽蔑に嫌悪に歪んだら…

―――どうしよう…そうなったら俺…


 恐怖に思考が止まり、震える体を両腕で抱きしめながら懸命に堪えたが泣けてきて、涙が零れないように浴槽のふちに頭を乗せて天井を見た


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あきゅろす。
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