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新月を追って

「や、めろっさわ…っんな」

 震える声に目を向けると敦志の目には涙が溜まり、不安そうに眉をハの字にしていた
 依月は一瞬、戸惑ったが自らの手の中の熱は焼けるほど上昇し解放を望んでいると思われた。だから更に扱き上げた
 敦志も絶頂が近くなると抵抗を忘れて扱く手に合わせて腰を振っていた

「ぁ、あぁっん…あっも、イクっ」

そう甘い嬌声を上げて欲望を吐き出す敦志は扇情的で、いやらしかった
 依月も女の裸が載った本や、数えるくらいだがビデオだって見たこともある。なのに、その女達より遥かに依月を昂らせる


―――男を廻すなんて理解できないって思ってたけど

 笹山たちが敦志を抱きたくなる気持ちは分かる気がした。
 今も、敦志の中に入り込みたくて仕方ない。だけどそれをしたら敦志は依月を軽蔑するだろう
 それが怖くて依月は、未だ肩で息をする敦志をただ見ていた



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