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新月を追って

「あっ」

 まだ開いたままの後孔から立ち上がった拍子に何人もの精液が流れ落ちていく、その気持ち悪さにおもわず硬直しかけた敦志の手を外村はグイッと引いた。
 引かれるまま体勢を崩しかけ慌てて足をつくも不安定なまま引き摺られ、床にポタポタと精液を零しながら気付くと中庭へと連れて行かれていた。
 小さいながらもそれなりに手入れされた庭には白い玉砂利が敷かれ、奥には苔の生えた石灯籠。風に葉を揺らす青々とした木が植えられていた未だ昼間で明るいことや、庭の雰囲気と今まで自分のしていたことのあまりの違いに敦志はいやだ、と立ち止まろうとした

「いやだ?」

 前に進んでいた外村は掴んでいた手を引かれることになり、振り返って不敵に口端を吊り上げて呟いた。目が合い、敦志は怖くなって俯き目を反らした。
 怒っている目の色が分かるようになったのはいつからだったか?
 そのまま自分の考えに逃避していると突然外村が距離を縮めて、そしてガッと右手で敦志の首を押さえる。その手の勢いでバンッと敦志は壁に叩きつけられた。途端に首を締め付けられる
 苦しさに目を見開きその手を外そうと両手で掴んで無我夢中で力を込めるが外れない

「う、ぐっ……」

 呼吸が出来なくなり、顔を真っ赤に染めながら空気を求めてもがく敦志の耳元に外村は唇を寄せた

「俺に逆らうな、お前はただ俺に脚を開いていればいいんだ」

 耳元に囁かれた言葉に驚き再び目を見開くのと急激に空気が戻ってきて、ゲホゲホと咽たのは同時だった


―――ただ、脚を開いてればいい?




何言ってるんだこの人は

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