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新月を追って

 引き戸を開けると部屋の中に居た者が一斉に振り返り、先ほどとは違う雰囲気が一瞬した

「か…買って来ました」

 視線に緊張しながら敦志は中に足を踏み入れた。
するとすぐさま二年の外村が戸を閉め戸を背中に立つ、そのことを不思議に思いながらも敦志にはなすすべがなかった。
とりあえず買ってきたペットボトルを松島に渡す

「ごくろーさま」
「あ、なんだよ俺にも買って来いよ」
「え…すいませんっ」

 それを見た笹山が抗議の声を上げる。
敦志はただひたすら謝るしかなかった

「まぁいいけどさ、それより…」


―――ダンッ

 笹山に肩辺りを強く押されたと想ったら敦志は体勢を崩して大きな音をたて畳に倒れていた

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