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新月を追って

「あー…なんか飽きたな」

 三年の笹山が手にしていたUNOのカードを放り投げた。5,6人集まっていた中心の畳に無造作に散らばったカードの上に更にカードが散らばって落ちる。その様を見届けてから同じく三年の松島が相槌を打つ
 静まり返る部屋、他が敦志に二年だけなせいか返事もなく流れる空気もどことなく気まずい

「中西ちゃーん」
「は…はいっ」
「ジュース買ってきて」

 松島が突然そう言い出し、敦志は財布を持って部屋を出た。
 部屋を出るとき笹山が松島に耳打ちをしていたが敦志はその時さほど気にしていなかった


 まだ明るい廊下を歩いていてロビー付近まで行くと既に売店はシャッターが下りており、仕方なく自動販売機で飲み物を買うことにした。自動販売機の赤く点滅するボタンを押しながら自然と安堵のため息を吐いてしまう
 やはり先輩しかいない部屋にいるのは気をつかうものだ。誰も居ないことにとても心が安らいだ。しかし、いつまでもそこにいるわけにもいかない、敦志は重い足取りで部屋に戻った

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あきゅろす。
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