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新月を追って
18
「はいっはいっ俺保健室連れて行く!」

 なかなか起き上がれないでいる敦志を治療のためと、練習再開のために移動しようと他の部員が起き上がるのを手伝っていた時、突然松島が現れてそんなことを言い出した。
 全員が唖然として松島の方を見るが松島は気にも留めずに敦志の側に行き、大丈夫?などと尋ねている

「松島抜けんの?抜けた後どうするつもりだよ」
「斉藤が入ればいいじゃん」
「は?サブ組じゃんあいつ」
「サブ組は別の入れればいいじゃん」
「って二人も?!えー」
「いいじゃん、それこそ練習なるよ」

 未だにえーっと言い続けている周りを完璧に無視して松島は敦志の左腕を自分の肩に回させ、左手を握りながら右腕を敦志の腰に回して歩こうとし始めた

「ま、松島さんっ」
「なに?」
「なんかちょっと…」

 腰を抱き寄せられたことに他の部員の目もあり恥かしくなって逃げるように腰を引く敦志だったが逆に腰を更に抱き寄せられてしまい

「なにがちょっと?」

 などと強く言われにっこり笑われ、なにより足の痛みに反論すら面倒になって敦志はそのまま松島に連れられるまま保健室に向かうことになった

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