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新月を追って
11
 ストレッチや走り込みなど、入念なウォーミングアップの後紅白戦は行われた。先攻、後攻を決めるジャンケンで敦志たちのチームは勝っていた。
 目を向ければ真ん中に置かれたボールにそれを押さえる様に足を乗せる直哉が直ぐ側にいた。
 敦志は興奮と緊張、それと同時に失敗して直哉に使えないと思われたらという不安が綯い交ぜになって心拍数を上げて冷や汗をかかせる

―――…どうしよう、でも…やるしかないんだ


―――ピーーッ

 ホイッスルの甲高い音が始まりを告げた。その瞬間、思考はシンプルに統一される。直哉から蹴り出されたボールに追いつくように走り出した。素早い動きにレギュラー組は一瞬、反応が遅れてしまった。
 その隙をついて何人か抜くとあっという間にディフェンスラインにたどり着いた

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