新月を追って
9
未だ不満げな表情のまま松島は敦志に向き直り両手を肩に置いた。そして
「大丈夫、中西ちゃんは俺が守るから」
「松島っ」
松島の突然の宣言に敦志が驚く前に清澤から呆れたような咎める様な声が発せられた。ますますムスッとしかける松島に
「ま、松島さんっダメですよ」
そう、松島はデフェンダー。フォワードの敦志を体を張って阻まなければいけない役割だ
「でも俺…中西ちゃん傷つけるのやだし」
松島は何故だか照れくさそうに目を反らした
「安心しろよ、俺がぜってぇ突破させねぇし」
それからすぐ笹山がどこからともなく表れて機嫌良さそうに笑いながら松島の肩を抱いた。
なんだよ、と少し怒った口調でその腕を振りほどきながら松島が笹山を見る
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!