新月を追って
8
「あ!そうだ…中西これ」
清澤が突然大きな声を上げて、それから背を向けるとロッカーを漁りだした。驚いた顔のままその背中を
見ていた敦志の目の前にしばらくすると蛍光色の布が差し出された。
それは紅白戦で使われるビブスだった。受け取りながら未だ不思議そうな顔をしている敦志に
「今日、紅白戦やるんだよ!中西来て良かったな」
清澤はにっこり笑って付け足した。
「あーっ中西ちゃん俺と違うチームじゃんっ」
隣に未だ居たらしい松島が敦志のビブスを摘み上げ、その色を見て唇を突き出しながら不満げに清澤に言った
「しょうがないだろっ」
レギュラー組の松島とサブ組の敦志は一緒の組にはなれないのだ
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