新月を追って
6
敦志が学校に行くようになって数日後。なんだかモヤモヤした気分で敦志はグランド脇にある部室に向かっていた。
暫く行っていないと、また顔を出すのはえらく緊張するものだ。休んだ自分が悪いとは言え、他人から避難されるのはまた辛い。恐る恐る手を伸ばして部室のドアを開けた
「失礼しまーすっ」
そう言って中に入ると、中の部員は全員静止ボタンを押されたかのように音もなくじーっと敦志のほうに視線を集中させた。
敦志はその視線にたじろぐ
「中西っもう風邪はいいのか?」
そんな張り詰めた空気を打ち破ったのはキャプテンの清澤だった。これぞスポーツ少年という感じのさわやかな笑顔を浮かべながら清澤はバンバンと敦志の肩を叩いてきた。
叩かれるまま、あぁはいとか応えていると先輩たちが何人か敦志の周りに集まってくる
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